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■0282「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」

 本谷有希子原作、吉田大八監督長編デビュー作。むちゃくちゃ挑発的な題名だが、内容はさらに挑発的。家族劇を通じて悪意たっぷりに人間存在の闇をえぐる。第60回カンヌ国際映画祭批評家週間に正式招待されたのも、うなずける。
 女優を目指す自意識過剰な勘違い女・澄伽を演じる佐藤江梨子の切れっぷりも見事だが、その姉にいたぶられながらも、姉をテーマにホラー漫画を描き続ける清深を演じた佐津川愛美の屈折ぶりが、さらに見事だ。しかし、一番の名演技は、兄嫁役の永作博美だ。彼女の作る人形が恐ろしい。彼女の笑顔が恐ろしい。底抜けのお人好しにみえて怪物的な闇を抱えている。いや人間存在の闇と戯れている。彼女が切れたらどんな惨劇が起こるだろうと想像したら、とても怖い。おぞましい家族関係の重圧に押しつぶされる兄を演じた永瀬正敏は、見事に3人を引立たせていた。

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