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■0279「アサシンズ」

 「憎しみ」でパリの青年たちの焦躁感をモノクロの映像に深々と焼きつけたマチュー・カソヴィッツ監督の作品。ボケが始まりかけた年老いた暗殺者は、何とか後継者に自分の技術と暗殺者の倫理を伝えようとする。しかし、暗殺者の古めかしい職人的な倫理は、青年にはまったく伝わらない。そして躊躇が残る25歳の青年を飛び越し、機械的な殺人という点で老人と13歳の少年はつながる。しかし、その動機はまるで違う。三世代の孤独と断絶を描いた血なまぐさいブラックユーモアと呼んでいいかも知れない。
 暗殺者の圧倒的な存在感や銃弾の重さが伝わってくる描写、そして青年の銃殺による唐突な展開には、監督の力量が発揮されている。ただ、「憎しみ」に比べ、監督の腰が座っていないように感じた。暴力描写に対するマスコミの批判が、相当にこたえているのだろう。だからといってテレビの俗悪さや危険性を映画の中で説明しても、力のある作品にはならない。現実の人間同士の生々しい暴力を見据え、それを映像に定着してほしい。

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