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■0274「アメリカ,家族のいる風景」

 名作「パリ、テキサス」で脚本を書いたサム・シェパードとヴィム・ヴェンダース監督が、20年の歳月を経て再び取り組んだ作品。サム・シェパードは、主演も務めている。監督の柔らかな感性が印象的だ。アメリカの砂漠や田舎の風景を生かしながら、さまざまな世代の思いを過不足なく盛り込み、静かにドラマを盛り上げる。家族をテーマにしているが、押し付けがましさは、微塵もない。「パリ、テキサス」は観ていて痛かったが、「アメリカ,家族のいる風景」の映像からは、淋しさとともに、ほのかな温もりが伝わってくる。そして、T-ボーン・バーネットの音楽が、この上ない優しさで作品を包み込む。監督のアメリカに対する思いは、「ランド・オブ・プレンティ」と、この作品で対になっている。
 元恋人ドリーンを演じたジェシカ・ラングの柔らかな強さが、この作品の核になっている。その意味では、彼女が主人公かもしれない。ジェシカ・ラングはサム・シェパードの実際のパートナーでもある。亡き母の骨つぼを抱えたスカイ役のサラ・ポーリーの切なさも、忘れ難い。彼女の背中には、きっと見えない天使の羽根がある。スカイの母親の写真は、サラ・ポーリー自身の母親である女優ダイアン・ポーリーの写真を使っている。

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