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■0076「美しき諍い女」

 「美しき諍い女」(ジャック・リヴェット監督)は、絵画創造の真髄に迫ろうとする4時間の作品。全編に緊張感がみなぎり、1991年カンヌ映画祭グランプリは当然だったと思う。そして12年前のヘア論争が思い出される。遠い遠い昔のような気がする。何もかにもが変わった。
 絵画を描く過程で変化していく人間関係が、鋭く緻密に映像化される。深く的確な配置。画家とモデルは創造のためにむきだしの格闘を展開し、至福を共有する。エマニュエル ・ベアールの好演が光った。画家はモデルに無理なポーズを要求し「肉体を解体」しようとする。身体の解体といえば、1992年4月28日に死去したフランシス・ベーコンの絵画を連想してしまうが、映画はあくまでも肉体を超えて内面の本質に迫るという一昔前の美意 識に支えられている。絶対美という確信が存在しているが故に、観客は画家の眼になり、手となって、恐ろしい創作の過程に参加できた。今となっては、不思議な作品である。

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コメント

はじめまして!E.ベアール大ファンです^^
おっしゃるとおり、ヘア論争なんてものがあったのが懐かしいですよね~

投稿: いわやん | 2005.09.28 19:00

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