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■0030「ストリート・オブ・クロコダイル」

 1987年、東京で寺山修司の作品を観たときに、次回公開作品として予告編が上映された。それがクエイ兄弟が監督した「ストリート・オブ・クロコダイル」だった。人形アニメに対するイメージが一変した。ほどなく、札幌で作品を観ることができた。存在を信じていない神に感謝したくらい感激した。ポーランドのカフカと呼ばれるブルーノ・シュルツの短編「大鰐通り」をもとにした怪奇ロマン。不気味な空間だが、端正な美意識が不思議な気品を醸し出す。エロティシズムとけだるさが漂う。この独特の世界は、他の追随を許さない。廃虚に生きる壊れかけた人形たちは、信じ難いほどの存在感を持っていた。この世のものとは思えない場面に、ふいに登場する内臓の生々しさが、驚くべき効果を上げる。耽美と退廃というヨーロッパ美学の現代における継承者である。映像の錬金術師という評価は、けっして大袈裟ではない。

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

このタイトルのほかにもたくさん見たことのあるタイトルがありました。「コックと泥棒~」「AKIRA」など。
クエイ兄弟のこの作品はとあるテレビで見て、あまりにもインパクトが強かったので、入手困難なビデオと輸入盤のDVDを購入しました。感想としては「小さな子供には絶対見せてはいけない映画」でした。あの映像的怖さがフィルターの無い子供にはとても危険に思えたので。大人になって見ても結構怖いものがあります。

投稿: しらぽん | 2004.10.19 01:47

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投稿: | 2005.04.01 15:14

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