■0245「パトリス・ルコントの大喝采」
もう10年以上前になる。「パトリス・ルコントの大喝采」は、1996年を締めくくるにふさわしいルコント監督の傑作だった。そのうまさにあらためて舌を巻いた。多作傾向があったときだが、多彩な味付けを加えながら、高い水準を保っていた。前作「イヴォンヌの香り」では官能美を堪能させてくれたが、一転してテンションの高いコメディ。売れない老俳優たちが何とか役にありつき奮闘する中で、爆発的な人気を得ていくという底抜けなハッピーエンドが用意されている。
不遇を吹き飛ばす老人パワーはすごい。名優たちの絶妙な演技に圧倒され、笑いの渦に飲み込まれてしまった。久しく忘れていた種類の快感。ジャン・ピエール・マリエル、フィリップ・ノワレ、ジャン・ロシュフォーレたちの存在感あるコミカルな演技はさすがだが、カミラ・ミロ役のカトリーヌ・ジャコブの的確な演技、発散するエネルギーはけっしてひけをとらなかった。ジュリエット役のクロティルド・クローも抜群に可愛らしい。
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