■0250「岸辺のふたり」
アニメーションの魔術だった。2000年作品。イギリス・オランダ合作。8分。配給=クレストインターナショナル。監督、デザイン、ストーリー=マイケル・デュドク・ヴィッド (Michael Dudok de Wit)。音楽監督=ノルマン・ロジェ(Normand Roger)、ドゥニ・シャルラン (Denis Chartrand)。使用曲=「ドナウ川のさざ波」
2002年広島国際アニメーションフェスティバル・グランプリ&観客賞ダブル受賞。ペンシルとチャコールで描かれた影絵のようなイメージは、デジタルセルアニメーション制作システム「ANIMO」を使った。シンプルで深い味わいのある絵づくり。人物の表情は見えず、遠景もシンプルなタッチ。セリフは一切なく、アコーディオンとピアノによる音楽と、人物の微妙な動きで雄弁に語っている。
ユーリ・ノルシュテインをして「この映画に初めてであった時、これは事件だと思った」「これは偉大な作品」と言わしめた傑作。8分間に、父への一途な思いを抱き続けた娘の一生を封じ込めた。それは長い年月であるとともに、永遠の一瞬のよう。ストーリーをあれこれと解釈するのではなく、静かに余韻に浸る。
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