2007.02.15

■松梨智子監督「映画監督になる方法」を体験する

 情けなくなるような貧相でお馬鹿な展開が続く。へたくそな歌を歌う「いちごちゃん」役の町田マリーは、かわいいものの、その他は、お世辞にも魅力的とはいえない。たぶん低予算を逆手に取って意図的にチープさを演出しているのだろうと納得し始める。しかし、映画は驚がくの展開を見せ、皮肉な結末を迎える。作品として、うならせるものがある。その力わざとアイデアは、やはり才能と呼ぶべきものだ。久しぶりの体験。

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2007.01.18

■映画「オーメン666」

 昨年公開の映画「オーメン666」を、レンタルDVDで観た。オープニングタイトルはなかなか期待させたが、2006年6月6日公開に合わせた、いかにも急ごしらえな展開が続く。そして最後はブッシュ批判。気持は分かるが。

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2006.12.03

■DVD「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ 2005」に笑った、うなった

 俳優・吹越満が1990年以来続けている一人舞台「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」が、初めてDVDになった。映像とのコラボレーションに力点を置いた2005年の舞台「mr.モーション・ピクチャー」。舞台を収録しただけでなく、DVDのために取りおろしたパートを交えて再構成している。
 とにかく面白い。独創的なアイデアを的確に演じる卓越した力量。それがあって、初めて実現する高度な舞台だ。擬音をパントマイムで表現したり、目線カメラ映像を使ったシュールなネタも楽しめたが、なんと言っても、有名な映画と同じ題で公開されていない作品を紹介する「TITLES」には、笑い転げた。幅の広い演技力なくしては、開くことのできない新しい笑いの地平があった。
  ことしの「フキコシ・ソロ・アクト・ライブXVI I I」も、すごく面白かったらしい。見た人が、うらやましい。

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2006.11.26

■「三月のライオン」の独創的な空気と構図

  「ストロベリーショートケイクス」が注目を集める矢崎仁司 監督の1991年作品「三月のライオン」をDVDで観た。1992年にルイス・ブニュエル「黄金時代」賞を受賞している。その独創的な空気感と、天才的な構図に魅せられた。主演は「ガキ帝国」でデビューした趙方豪(ちょう・ばんほう)。 妹を愛してしまう記憶喪失の兄を演じているが、独特な透明感が、夢のような雰囲気を醸し出している。1997年12月9日に悪性胸腺腫のため、41歳という若さで亡くなった。妹役の由良宜子(ゆら・のぶこ)も、ふわふわしていて可愛い。
 映画評論家トニー・レインズに「ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』以来の、近親相姦を描いた秀作」と言わしめた。

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2006.09.02

■「インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜」

 三池崇史監督の「インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜」を、レンタルDVDで観た。今年2月の「ゆうばり国際映画祭」で、残念ながら観ることのできなかった作品(観た人たちは、みな興奮していた)。
 岩井志麻子の原作は、岡山弁訛りが効果的に使われていたが、この作品はアメリカ向けに製作されたので、全編英語。不思議な感じ。ただ、原作の持ち味は生かしている。
 主演の工藤夕貴の熱演は評価するが、特筆すべきは、延々と続く拷問シーン。嬉々として爪の間に針を刺し続ける岩井志麻子が、一番怖かった。

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2006.06.06

■レンタルDVDで「ヘヴン」を観た

 レンタルDVDで「ヘヴン」を観た。クシシュトフ・キエシロフスキー監督の遺稿脚本を「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ監督が映画化した。純粋でありながら毒に満ちた男女の愛の童話。ケイト・ブランシェットとジョヴァンニ・リビシが共演している。過酷なストーリーだが、映像は禁欲的で寡黙だ。静けさの中に濃厚な感情が写し出される。
 教師のフィリッパは高層ビルに忍び込み時限爆弾を仕掛ける。彼女の夫を死に至らしめ、大切な教え子たちを次々に不幸へと導いた麻薬密売人を殺すために。フィリッパは何年間も男を憲兵隊に告発したが黙殺され、教え子の自殺を機に自ら行動に出た。しかし麻薬密売人は死を免れ罪のない4人が犠牲になる。エレベーターの中での爆発のシーンの異様な迫力、そしてフィリッパの故郷の風景の、この世のものとは思えない美しさが鮮烈。ラストは、本当に言葉を失う名シーン。

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2005.10.14

■「オッパイ星人」くだらなすぎ!!

 題名につられてDVD借りた私が悪いのですが、「オッパイ星人」(鈴木浩介監督、50分)は、あまりにもくだらなすぎ。だいたい、あの4星人は、地球制服にきたはずなのに、四畳半部屋から出ないで、あほなことばかり話している。動きがないばかりか、話しも面白くない。おまけにCGが幼稚すぎる。短いコントが続いて、少し面白くなってくるかなというところで終わってしまう。なんだこれ。どこが「オッパイ星人」??。チャプターみると、第9話が欠番になっているのも謎だ。

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2005.09.05

■ラテンアニメ「火星人メルカーノ」!!

 アルゼンチンで製作されたインディペンデントアニメ「火星人メルカーノ」(2002年、75分、フアン・アンティン、アジャール・ベラスコ監督)を観た。アルゼンチンの抱える貧富の格差、失業問題、犯罪、暴力などの社会問題を浮き彫りにしつつも、重くならず笑い飛ばしている。さすがはラテンアニメ。鮮やかな色彩が新鮮だ。線画とCGの組み合わせもなかなか。
 ただし、火星人も地球と同じ仕組みのパソコンを使っているというのが、アメリカ的な発想で、残念だった。ペットの火星犬を地球から来た火星探査機によって殺されてしまい、その復讐のために地球に来たのだから、反地球・反アメリカを貫いてもらいたかった。

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2005.08.09

■「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」

 「スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」(ケリー・コンラン監督・脚本)は、この世界とは似ているけれど、少しだけ違うもうひとつの世界の1939年のニューヨークから物語が始まる。ストーリーは、懐かしいほど平凡だが、アクションは楽しめる。何よりもCGを使いながらセピアがかった映像の質感を楽しむタイプの作品。空軍パイロットのスカイキャプテン(ジュード・ロウ)と新聞記者のポリー(グウィネス・パルトロウ)に空に浮かぶ要塞の女艦長(アンジェリーナ・ジョリー)が絡む3角関係が、コミカルに描かれる。それぞれにかっこいい。手に汗握る波瀾万丈の展開の後、カメラネタのウエットに富んだ絶妙なオチに笑った。こういう味はなかなか出せない。好きだ。気に入った。

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2005.03.21

■「妄想代理人」第13話「最終回。」!

 脚本=水上清資、演出=遠藤卓司、コンテ=今敏、作画監督=鈴木美千代、美術監督=池信孝。「記号の町」の見事さに感心する。そして現実の都市は徹底的に破壊される。すさまじい展開。ここまで破壊的な広がりを見せるとは。少女の心の闇から始まった、ねじれにねじれた壮大な物語は、ここに終わる。ラストシーンの余韻がいい。それにしても「居場所がない、この現実こそが、俺の居場所だ」という猪狩の言葉は、限りなく重い。

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■「妄想代理人」第12話「レーダーマン」!

 脚本=水上清資、演出=高橋敦史、コンテ=高橋敦史、作画監督=三原三千夫、美術監督=池信孝。冒頭から、すごいテンションだ。物語は、一気に佳境に入る。少年バットと闘い続ける馬庭は、美佐江の前に現われる。美佐江は「偽りの安らぎを与えるマロミと少年バットは同じ」と話す。なかなか鋭い現代批判だ。アニメは高く深く自在に妄想し続ける。まさに今敏ワールドだ。

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■「妄想代理人」第11話「進入禁止」!

 脚本=水上清資、演出=島崎奈々子、コンテ=島崎奈々子、佐々木守、作画監督=佐々木守、美術監督=池信孝。猪狩の妻・美佐江は昔から身体が弱く、医者から手術を勧められていた。しかし、美佐江には手術を受けるほどの金銭的余裕は無く、思いつめた美佐江のところにも少年バットが現れる。心を病んだ美佐江の存在感が素晴らしい。本筋に回帰した感じ。

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■「妄想代理人」第10話「マロミまどろみ」!

 脚本=吉野智美、演出=遠藤卓司、コンテ=佐藤竜雄、作画監督=安藤雅司、山田勝哉、阿部純子、美術監督=河野羚。「マロミ」の人気は急上昇し、「マロミまどろみ」というTVアニメが制作される。しかし、監督が現場から逃亡。制作現場は火の車になっていた。追い詰められた状況に少年バットが現れ、ひとりずつ主要スタッフを襲いはじめる。面白い展開だが、本筋ではないような感じ。

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■「妄想代理人」第9話「ETC」!

 たくさんのスタッフが各場面を担当した異色構成。団地内の公園で井戸端会議に花を咲かせる4人の主婦。話題の中心は少年バットの噂。3人より若く、最近越してきたばかりの美栄子はどこか蚊帳の外だが、そんなことを気にも留めない主婦たちは少年バットの噂話を繰り広げる。 少年バットの噂の拡散を狙った作品だが、展開はあまりいただけない。

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■「妄想代理人」第8話「明るい家族計画」!

 脚本=水上清資、演出=うつのみや理、コンテ=うつのみや理、作画監督=うつのみや理、美術監督=池信孝。物語は、拡散を始める。チャット仲間のかもめ、ゼブラ、冬蜂の3人は、一緒に自殺を企てる。最近はやりの出会い系自殺サイト。しかし、ことごとく失敗。自殺を取り止めて温泉宿に泊まり、3人は少年バットを待望する。少年バットの噂が一人歩きし始める。

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■「妄想代理人」第7話「MHz」!

 脚本=水上清資、演出=浜崎博嗣、コンテ=浜崎博嗣、作画監督=朝来昭子、美術監督=河野羚。最初の犯行は月子の狂言でそれ以外は狐塚の犯行だと断定する猪狩と、少年バットが現れるのは被害者が何か悩みを抱え追い詰められている時だと思い始める馬庭。物語は、迷宮のような展開になる。

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■「妄想代理人」第6話「直撃の不安」!

 脚本=水上清資、演出=鶴岡耕次郎、コンテ=鶴岡耕次郎、作画監督=江口寿志、美術監督=猪田薫 。刑事の猪狩と馬庭は、姿を消していたホームレスの老婆を探し出し、事件当日の状況を聞き出す。月子が襲われた瞬間、周りには誰もいなかったという証言を聞き、二人は月子を警察に呼び出す。物語は、第1話の真相に戻る。謎がねじれ始める。

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■「妄想代理人」第5話「聖戦士」!

 脚本=吉野智美、演出=島崎奈々子、コンテ=島崎奈々子、作画監督=佐々木守、美術監督=猪田薫。少年バットが逮捕された。正体は小学生ではなく、中学2年の狐塚誠だった。被害者が救いを求めていたのを知っていたかのように「救いを待ってる人がまだまだいる」と供述する。そして、自らの犯行を、RPGの主人公・聖戦士になぞらえて語る。「妄想代理人」らしさが生かされた展開にわくわくする。

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■「妄想代理人」第4話「男道」!

 脚本=水上清資、演出=高橋敦史、コンテ=高橋敦史、作画監督=三原三千夫、美術監督=池信孝。 巡査長の蛭川雅美が主人公に。仕事と家庭を大事にするかにみえて、裏の組織に通じ警察情報を漏らす代わりに金と女を要求していた。しかし逆に金を返せと脅され、強盗へと変身する。意外な展開だ。ここにも「少年バット」が現れるが、蛭川につかまる。

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■「妄想代理人第3話「ダブルリップ」!

 脚本=水上清資、演出=遠藤卓司、コンテ=高橋敦史、作画監督=赤堀重雄、美術監督=河野羚。物語は、突然風俗の話しに展開。大人向けの内容に変身する。少し驚く。鯛良優一の家庭教師でもある蝶野晴美は、昼は大学研究室助手、夜はホテトル嬢まりあという多重人格。今敏監督の作品らしい人格の葛藤がスリリングに描かれる。

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■「妄想代理人」第2話「金の靴」!

 脚本=水上清資、演出=遠藤卓司、コンテ=鰐淵良宏、作画監督=鈴木美千代、美術監督=池信孝。 鯛良優一は優等生で人気者だったが、犯人像「少年バット」に酷似していたためいじめの対象になる。替わりに人気をあげるクラスメイト牛山尚吾を妬む優一。尚吾が少年バットに襲われ犯行を疑われ窮地に追い込まれた優一も少年バットに襲われる。「少年バット」が一人歩きしはじめる気配。鯛良優一の描き方がうまい。

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■「妄想代理人」第1話「少年バット参上」!

 脚本=水上清資、演出=平尾隆之、コンテ=今 敏、作画監督=鈴木美千代、美術監督=池信孝。人気の癒しキャラクター「マロミ」を生み出したデザイナー鷺月子は次回作を期待されるが、アイデアが浮かばず、周りからのプレッシャーに耐える日々を送っている。締切が明日に迫った帰り道、月子は金色のバットを持った正体不明の少年に襲われる。彼女に彼は一言。「ただいま」。第1話は、滑り出し快調。きっちり伏線を張っている。

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■「妄想代理人」オープニング!

 昨年WOWOWで放送された「妄想代理人」(原作・総監督=今敏)を、レンタルDVDで観た。オープニングのインパクトは、相当なもの。奇異なシチェーションで無気味に笑う登場人物たちが、物語への期待をかき立てる。このアニメ、セルを100枚しか使っていないそう。予算が少なくても、アイデア次第で見事なタイトルになるという見本のような作品。

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2005.01.10

■「アフガン零年」のまなざし!

 「アフガン零年」(セディク・バルマク監督、2003年)をレンタルDVDで観た。タリバン政権下のアフガニスタンで、1人の少女がたどった救いのない運命を描いている。過酷で不条理。タリバンの支配は確かにひどいものだが、そうした政権をかつてはアメリカが支援し、9.11以降はアフガニスタン全体がアメリカによって攻撃され、多くの民衆が犠牲になったことには、まったく触れていない。ただただ、タリバン時代だけに焦点をあてている。あまりにも無惨な結末は象徴的なシーンで締めくくられている。
 物語の展開は、リアリティに乏しく感じる点も多い。とりわけいやがる少女を少年に変えて働きに出す母親の切実さや苦悩が伝わってこない。少女のとまどいと無防備さだけが強調され、いたたまれなくなる。この作品を支えているのは、主人公の少女を演じたマリナ・ゴルバハーリの怯えたまなざしだ。彼女は5歳の頃から幼い弟とともに路上で物乞いをして生き延びてきた。その体験が堅い表情に表れている。

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2005.01.03

■「赤い月」は、本当に残念!!

 レンタルDVDで観た、なかにし礼原作の「赤い月」(降旗康男監督)。満州での日本帝国軍の傍若無人な振る舞いと対比して、自立した個人の苦悩を描くというテーマは評価する。とても困難な中国ロケを、とにかく敢行したことも評価する。しかし、深みのないアンバランスな駄作になってしまった。なんとも残念な作品だ。
 重厚なテーマに、俳優たちが負けてしまっている。常盤貴子は、もともと基礎的な演技力がないのだから、難しい役をリアルに演じようとしても宙に浮くだけだ。男優たちも、つられて浮いた演技になった。子役は落ち着いていた。テーマの重さに負けず、「牡丹と薔薇」的に思い切ってデフォルメした方が、良かったかもしれない。

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2004.12.26

■「マインド・ゲーム」に驚愕!!

 2004年作品。日本映画。103分。配給=アスミック・エース。監督・脚本=湯浅政明。原作=ロビン西。企画制作=STUDIO4℃。プロデューサー=田中栄子。総作画監督=末吉裕一郎。美術監督=ひしやまとおる。CGI監督=笹川恵介。設定・作画監督補=久保まさひこ。色彩設計=鷲田知子。動画監督=梶谷睦子。編集=水田経子。音楽=山本精一。音楽プロデューサー=渡辺信一郎。テーマソング=山本精一と不思議ロボット「MIND GAME」。イメージソング=Fayray「最初で最後の恋」。制作協力=吉本興業。西=今田耕司、みょん=前田沙耶香、じいさん=藤井隆、ヤン=たくませいこ、りょう=山口智充(DonDokoDon)、みょん・ヤンの父=坂田利夫、やくざのボス=島木譲二、アツ=中條健一、ヤクザ=西凛太郎

 ことし8月に劇場公開されたが、見逃してしまった。22日からDVDレンタルされたので、さっそく観た。驚愕。2004年は「イノセンス」「スチームボーイ」「ハウルの動く城」という日本のアニメ3大巨匠の作品が初めて同じ年に公開された記念すべき年。「アップルシード」という新しい試みも光った。しかし、もっともインパクトがあった作品は、間違いなく「マインド・ゲーム」だ。湯浅政明の監督・脚本。STUDIO4℃が制作した。
 絶望的な状況の中で前向きに生き抜くというポジティブなメッセージを核にしながら、さまざまなテイストの2D、3D、実写を組み合わせたハイブリッドアニメ。いや、優れたハイテンション・コラージュ・アニメといえる。とにかくパワフルでどん欲に変化していく。めくるめく映像に目がくらむ。アニメ表現の可能性を、根こそぎ持ち込んだ感すらある。実写部分は「下妻物語」の中島哲也監督が担当した。

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2004.08.09

■ナンセンス映画「牛頭」!

 三池祟史監督の「牛頭」をレンタルDVDで観た。うわさ通りのナンセンス不条理映画。「ヤクザ犬」から始まって驚愕の出産シーンまで。とんでもないアイデアを連発していく。そこに意味を見つけようとしても無駄だ。寺山修司的な土着性やデビット・リンチ的な不気味さを探すよりも、浮遊するイメージの世界に遊んだ方が良い。そういう無茶苦茶な世界を今後も追求してもらいたい。まだまだ、奇想天外な世界が繰り広げられるはずだ。俳優は、個性派ぞろいだが、中でも吉野きみ佳の熱演が光る。
 最後まで、人を食った展開に笑わされる。そして、エンドクレジットで流れる主題歌「牛頭のうた」(遠藤浩二作曲、三池崇史作詞)が、とどめを刺す。「牛頭ー牛頭ー牛頭ー」のリフレインが頭蓋にこびりつく。歌詞がすごい。「ごめんねおじちゃん、乳牛だけど、 お乳が出ない 、お乳が出ない 、だって、おじちゃんオスなんだもん、牛のくせして、お乳が出ない 、お肉もあんまりおいしくない、 出してあげたいのに、 飲ませてあげたいのに」

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2004.07.24

■塩田明彦監督「ギプス」!

 ずっと気になっていた塩田明彦監督の「ギプス」を、レンタルDVDで観た。長谷川環を演じる佐伯日菜子と大下和子を演じる尾野真千子。二人の微妙な関係が、繊細に大胆に描かれている。切り返しの連続技が見事。大きな予算の作品ではないが、塩田明彦監督の演出の冴えは、さすがだ。単純なストーリーを無言の演技で魅力的に膨らませていく。相変わらず佐伯日菜子の個性的な存在感は気持ちが良い。尾野真千子も淡々としているようで、なかなかの演技派だった。

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■「WATARIDORI」!

 レンタルDVDで「WATARIDORI」(ジャック・ペラン監督)を観た。100種類以上の渡り鳥の生態を、制作費20億円、撮影期間3年をかけ、世界40か国以上をめぐって記録した作品。日本の丹頂鶴も出てくる。CGではないのに、どうしてこんなアングルで撮影できたのだろうと、最初は驚きの連続。そのうち、鳥たちとともに世界を回る視点に慣れてくる。その映像美を存分に味わう。えさを求めての旅とはいえ「渡り」は神秘的な習性だと思う。日本語のナレーションは安田成美が担当した。久世光彦の演出・脚本は、鳥たちを擬人化しすぎていて、ときにしらける。

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2004.06.29

■赤裸々「くたばれ!ハリウッド」!

 「くたばれ!ハリウッド」(ブレット・モーゲン & ナネット・バースタイン監督)をレンタルDVDで観た。ハリウッドの名プロデューサー・ロバート・エヴァンズ自身が、その人生を赤裸々に語るというドキュメンタリー。最初は、ややナルシステックな雰囲気で感心しなかったが、次第にウイットに富んだ自虐的な語りに引き込まれた。フランシス・F・コッポラやロマン・ポランスキーら有名な監督たちも登場して興味をそそる。現在も現役なので、辛らつさはない。しかしながら、映画製作のあっと驚く裏話の面白さに満ち、一癖も二癖もあるロバート・エヴァンズの魅力が伝わってくる。確かに既存のハリウッド・システムを打ち倒した型破りの人物だ。

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2004.06.22

■「氷の海に眠りたい」鑑賞!

 「氷の海に眠りたい」(ポール・ザジェルマン監督、1998年)をレンタルDVDで観た。オドレイ・トトゥが「アメリ」で有名にならなければ、日本での発売はなかっただろう。平凡な出来のサスペンス。やぼったいカメラアングルが、終始気になった。トトゥは恐怖におびえて心を病んでゆく若妻役。主役ではない。それでも、不思議な魅力で、一番印象に残った。美しい裸体とともに、さすがだと思う。

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2004.06.19

■若きデヴィッド・ボウイ!

 「デヴィッド・ボウイ/ジギー・スターダスト」をレンタルDVDで観た。ワールド・ツアーの締めくくりとして、1973年7月にロンドン、ハマー・スミス・オデオン劇場にて行なわれた伝説のライブ映像。「ZIGGY STARDUST」など全19曲のほか、舞台裏などのドキュメンタリーも収められている。30年以上前なので、映像の質も音質もけっして今のように良くはないが、あの時代の熱気と、先駆性が伝わってくる。若きデヴィッド・ボウイの魅力にしびれる。

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2004.06.12

■DISCAS、突然の値上げ!

 私は、6月から「DISCAS」というインターネットで作品を指定して郵便で作品を受け取り返送するレンタルの契約をした。1か月に1974円で最大10枚のレンタルが可能。1DVDで約200円だが、レンタル店で貸し出し中になっているという悔しい思いをしなくていいので申し込んだ。始めてすぐに、こんなアナウンスがホームぺージに載った。「DISCASでは、7月1日から下記の通りコース内容、 および料金体系を変更させていただきます。ご利用枚数は月8枚まで」。おいおい、レンタル店では1DVDで100円のサービスを始めているときに、この突然の値上げはないだろう。事情はあるのだろうが、消費者としては、釈然としないなあ。

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2004.06.11

■ティアーズ・オブ・ザ・サン!

 「ティアーズ・オブ・ザ・サン」(アントワーン・フークア監督)をレンタルDVDで観た。「内戦下のナイジェリアから、アメリカ国籍の女医リーナ・ケンドリックスを救出せよ」という指令を受けたアメリカ海軍特殊部隊シールのウォーターズ大尉は、難民虐殺の事実を知り、命令に違反して難民救出を試みる。
 典型的な戦争ヒーローものであり、正義の国アメリカ万歳映画である。そういった限界を踏まえた上で、なかなか水準の高い作品だと思う。敵を徹底的に残酷に描くという単純さはあるものの、難民たちへのまなざしは、しっかりとしている。エキストラとして登場する難民たちが、アフリカの悲惨な状況からの生還者であるという点も見逃せない。そして、ときに奇跡的な表情を見せる自然の美しさも忘れ難い。
 女医リーナを演じるモニカ・ベルッチは、演技はイマイチだが、美貌は健在。ウォーターズ大尉役のブルース・ウィリスは、寡黙だったので閉口しなかった。

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2004.06.03

■「阿弥陀堂だより」の罠!

 長い間気になっていた「阿弥陀堂だより」(小泉堯史監督)をレンタルDVDで観た。東京で疲れ切った夫婦が信州の山村に移り住み、美しい自然と人々との交流の中で生きる喜びを取り戻すという絵に書いたような癒しのストーリー。最初は、奥信濃の四季の美しさを眺めつつ、距離を置いて観ていた。
 しかし、91歳の北林谷栄が演じる阿弥陀堂で暮らす老婆のひょうひょうとした簡素な生き方に惹かれ、小西真奈美演じる難病を抱える少女や田村高廣演じる末期癌の老人が登場して、人間の生死と荘厳な自然美がシンクロし始める。もはや失われた生活スタイルへのノスタルジアがわき起こる。それは、圧倒的な魅力を持って、確かな生き方が見えない私に迫る。だが、かつての村落が過酷さと陰湿さを抱えていた事実も忘れてはならない。あそこにはもはや帰れない。ましてや、原日本回帰などは危険な罠にほかならない。
 「阿弥陀堂だより」の持つ魅力と危うさに揺れながら、私は涙を流し続けた。距離をおいて、良質のファンタジーとして味わうのが良いだろう。北林谷栄の演技、いや振る舞いすべてが素晴らしい。

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2004.05.29

■「ワイルドシングス2」!

 レンタルDVDで「ワイルドシングス2」(ジャック・ペレス監督)を観た。先が読めないというよりも、読みようがないストーリー展開とぞくぞくするケレン味が、強い印象を残した「ワイルドシングス」の続編。といっても、物語は、まったく関係ない。ストーリーは、最初こそ意外な展開を見せるものの、ラストに向って予想のつく運びになる。俳優たちも、あまりあくが強くないのでケレン味も不足気味。「2」という割には、魅力がない。

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2004.05.28

■パイレーツ・オブ・カリビアン!

 「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」(ゴア・ヴァービンスキー監督)をレンタルDVDで観た。昨年の夏に劇場で観ようか迷い、結局は時間の関係で見逃した作品。ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」から発想を得た海賊映画なので、全体にディズニー的なお手軽さとファミリー向けの配慮が感じられる。それは、悪いことではない。143分という長さも気にならない。しかし、やはり物足りなさが残る。エンドクレジットの後のサルのシーンは意味不明だった。
 一匹狼の海賊役のジョニー・デップは、軽妙な演技で楽しませくれる。オーランド・ブルームは、美味しいところをいただいて、すでに大物スターの貫禄。キーラ・ナイトレイは、勝ち気さが気持ち良い。

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2004.05.25

■「天使の牙」のスピード感!

 DVDレンタルで「天使の牙 B.T.A.」を観た。ストーリー的には、首を傾げてしまうところが多く、欠点が目立つ作品である。しかしながら、数多くのオープニングタイトルを手がけてきた西村了監督らしく、キレとスピード感のあるタイトルには、心が踊った。その後に紋切り型の警察の踏み込みシーンが来て、少しがっくり。ただ、随所に映像的な面白さが光り、全体としては好きな作品だった。黒谷友香、佐田真由美は、ともに存在感があって美しいが、もっと肢体をさらした方が説得力が増したと思う。エンディングテーマにt・A・T・uの「ノット・ゴナ・ゲット・アス」を起用したのは、大正解。ただ、エンディングロールの後の展開は、しつこすぎる。

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2004.04.30

■「千年女優」に感嘆!!

 「千年女優」(原案・脚本・監督・キャラクターデザイン=今敏)をDVDレンタルで観た。劇場公開で見逃し、ずっと気になっていた作品。だまし絵的な世界と日本映画の歴史と純愛劇が、めくるめくような編集によって、艶やかに展開されていく。その見事さ、魅力に茫然とした。こんな傑作を見逃したという悔しさも感じた。
 この87分の世界には、重層的な面白さが畳み込まれている。ドリームワークスが、即座に全世界配給を決定したのも、うなずける。現実と幻想が、これほど美しく混ざりあい、感動を引き出す場面は、そう実現しない。ラストの死を間近にした藤原千代子の言葉も、女優としての醒めた分析であり、作品自体への批評になっていて感心した。興醒めしたという人は、この娯楽に徹した作品の計算された複雑さを楽しんでいないと思う。

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2004.04.19

■「たまゆらの女」は平凡

 「たまゆらの女」(2003年、93分)をDVDレンタルで観た。スン・チョウが製作・監督・脚本を手掛けている。コン・リー初の本格的ラブストーリー。コン・リーの美しさを撮りたかったのが、良く伝わってくる。しかし、物語は平凡な3角関係。詩人と獣医という男性二人は、対照的だが、二人ともあまり魅力的ではない。最初に登場した陶磁器が、もっと効果的に使われていたらと思う。ただ、落ち着いた自然描写と汽車の疾走感の対比、編集の技は、見事だった。

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2004.04.12

■「13ゴースト」を観たが

 「13ゴースト」(2002年、スティーブ・ベック監督)をDVDレンタルで観た。「TATARI タタリ」のDark Castleの作品。怖いというよりはお笑い系のホラーだ。ずぼらなストーリー展開。しかも、ラストは家族愛で締めくくっている。食いたりないなあ。もっと、おどかしてほしい。ずたずた血まみれのお姉さんが登場したときには、少しだけ期待したが、あとが続かない。素晴らしいデザインの家=装置に比べ、ゴーストたちがまるであか抜けていない。センスの良い舞台には、せめて華麗なゴーストたちに登場してもらいたかった。

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