■万能細胞から作った細胞を選別移植
万能細胞から作った心筋細胞を選別して移植する効率的な方法を、慶応大の研究チームが開発した。動物実験では、移植後の心臓への定着率が従来の30倍に向上。人の再生医療応用に一歩近づいたとしている。30日付の米科学誌「ネイチャーメソッド」(電子版)に掲載された。
ES細胞(胚(はい)性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)などの万能細胞は、神経、骨、筋肉など多様な細胞になるが、狙った組織だけを作り出すことは難しい。
同大の福田恵一教授(循環器内科)と、製薬企業「アスビオファーマ」の服部文幸・副主任研究員らは、心筋細胞が他細胞に比べてミトコンドリアを多く持っていることに着目。ミトコンドリアを一時的に発光させる試薬を使い、ヒトES細胞やヒトiPS細胞からできた細胞から強く光る細胞を選んだ。このふるい分けにより、99%以上の純度で心筋細胞だけを集められた。
また、マウスのES細胞から作った心筋細胞を1000個程度の固まり(直径約0・2ミリ)の状態で心臓に注入することで、細胞が流出せず、自然に膜状に広がって定着することも確認。この方法で、従来1~3%だった定着率は90%以上に向上した。
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