■「無料漫画雑誌」コミック・ガンボが休刊
12月11日、「無料の漫画雑誌」として話題を呼んだコミック・ガンボが休刊することが発行元の株式会社デジマのWebサイトで発表された。理由は「諸般の事情のため」としている。
コミックガンボは今年1月に創刊、江川達也さんなどの漫画が掲載される「無料漫画雑誌」として大きな話題を呼んでいたが、約1年での休刊となった。
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12月11日、「無料の漫画雑誌」として話題を呼んだコミック・ガンボが休刊することが発行元の株式会社デジマのWebサイトで発表された。理由は「諸般の事情のため」としている。
コミックガンボは今年1月に創刊、江川達也さんなどの漫画が掲載される「無料漫画雑誌」として大きな話題を呼んでいたが、約1年での休刊となった。
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「女王様と私」(歌野晶午著)を、一気に読破した。
最初は妄想の妹・絵夢の幼児語が気になったが、
すぐに慣れた。「新鮮だぉ」。
うすうす感じていた結末だったので、ミステリーとしては高い点は付けないが、
「真藤数馬のめくるめく妄想」は、なかなか面白かった。
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「百年の孤独」で知られるメキシコ在住のノーベル賞作家、ガルシア・マルケスの10年ぶりに発表された新作が、話題を呼んでいる。 新作「メモリア・デ・ミス・プータス・トリステス」は、1950年代を舞台に、コロンビア人の老人が愛の遍歴を述懐する内容。27日に出版予定だったが、母国コロンビアで印刷所から流出したとみられる海賊版が広く出回った。同氏側は予定を1週間早めて20日から発売した上で、「本物」は海賊版とは最終章が異なると異例の発表を行った。
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レバノン当局は、世界的ベストセラーとなっている長編ミステリー「ダ・ビンチ・コード」(ダン・ブラウン著)を、カトリック界からの苦情を受けて発禁処分とした。国内各地の書店は治安当局の指示に従い、フランス語版や英語版、アラビア語版を店頭から撤去。地元出版社も、同作品の今後の発行を禁じられた。レバノン・カトリック情報センターの批判が引き金になったとみられている。
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時代を象徴する雑誌が消える-。1979年創刊の男性誌「ホットドッグプレス」(講談社)が11月10日発売の12月号で休刊することが6日、明らかになった。高校、大学生向けのファッション情報などを掲載し、1980年代には「ポパイ」(マガジンハウス)と並んで人気があった。同社の女性誌「マイン」も12月号で休刊する。
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第131回芥川賞、直木賞の受賞作品が決まった。芥川賞にはモブ・ノリオさんの「介護入門」(文学界6月号)が、直木賞には奥田英朗さんの「空中ブランコ」(文芸春秋)と熊谷達也さんの「邂逅(かいこう)の森」(同)が選ばれた。熊谷さんは「邂逅の森」で、第17回山本周五郎賞(新潮文芸振興会主催)を受賞しており、同一作品で同賞とのダブル受賞は史上初めて。贈呈式は8月20日午後6時から、東京都丸の内の東京会館で開かれる。
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「松岡正剛の千夜千冊」が、4年5か月をかけて、7月7日に1000冊に到達した。1000冊は、おおかたの予想を裏切って、『良寛全集』(上下)。しかし、これが最後ではない。松岡は最後にこう書いている。「7月24日までの、ある一夜、あと一冊だけを綴ってみたいと思います。それをいつ書くかはわかりません。「千夜千冊」は、なんと一千一冊だったということになります。では、諸君、その夜を!」
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「ハリー・ポッター」シリーズの第6巻のタイトルが発表された。「Harry Potter and the Half Blood Prince(ハリー・ポッター・アンド・ザ・ハーフ・ブラッド・プリンス)」で、著者のJ・K・ローリングが自分の公式サイトで明らかにした。「ハーフ・ブラッド・プリンス」は直訳すると「混血の王子」。出版日は決まっていない。
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松岡正剛のWebによる革命的な読書ガイド「千夜千冊」が、本として求龍堂から出版される。刊行見本は、7月24日に東京で開かれる『千夜千冊』達成パーティーでお目見えする予定。総計400万字に及ぶテキスト、1万人に上る登場人物、大量の参考書籍、膨大な索引やリスト。7-8巻のボリュームとなる。しかし、リンクを多用したインターネットならではの膨大な情報量のアーカイブが、はたして紙メディアにふさわしいか。少し疑問が残る。
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「ダ・ヴィンチ・コード」(ダン・ブラウン著)を、興奮のうちに読み終えた。大胆な聖杯解釈の新しいページを開いていくスリリングさに酔った。中盤でのダ・ヴィンチの絵画をめぐる謎ときが最も面白い。後半は詩の暗号解読に力点が移ってしまう。それでも、結末は見事に着地する。前半、登場人物が描き切れていないと感じ、中盤で温もりを感じ始めたが、人物描写の手ごたえは、今一つ物足りない。欠点はあるものの、読みやすくて分かりやすい、そして知的な驚きに満ちた傑作ミステリーだと思う。
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ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」には、驚くべき秘密が隠されていた。しかも、良く見れば誰にでも分かるように。「ダ・ヴィンチ・コード」(ダン・ブラウン著)の下巻に移ると、腰を抜かすほどの事実に出会うことになる。キリスト教の歴史を、文字通り転倒する史実が明らかにされる。私は、もう以前のようには「最後の晩餐」をながめることはできない。何という、スリリングな絵画だろう。
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「ダ・ヴィンチ・コード」の上巻を半分ほど読み進んだ。大半の舞台がルーヴル美術館内。美術館に入ったことはないが、ことし3月に「パリ・ルーヴル美術館の秘密」(ニコラ・フィリベール監督)という、ルーブルの舞台裏を初めてとらえたドキュメンタリー作品を観ていたので、かなり分かりやすかった。物語は蘊蓄をちりばめながら進んでいく。オリンピックと五芒星の関係、五芒星と黄金比の関係、そして「モナ・リザ」の名前の由来など、なかなか楽しめる蘊蓄である。
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注目のミステリー小説「ダ・ヴィンチ・コード」(ダン・ブラウン著)の上、下両巻が、
Amazonから、届いた。5月30日初版だが、届いたのは、すでに6月5日の再版。アメリカでは爆発的に売れたが、予想通り、日本でも売れているようだ。ルーヴル美術館、ダ・ヴィンチ、ヨーロッパ史の謎とくれば、買わないわけにはいかない小説である。
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小川洋子の短編小説集「刺繍する少女」。静かに怖さが伝わってくる作品。それでいて、どの短編も魅力的。特に好きなのが「図鑑」と「ハウス・クリーニングの世界」。ほとんどホラーな世界が、端正な文章で開かれている。
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小川洋子の小説「博士の愛した数式」を、長い時間をかけて読み終えた。この間に、小川洋子の多くの作品を読破しながら、「博士の愛した数式」だけは、お気に入りのウィスキーのように、少しずつ味わっていた。数式の美しさを核にした心温まるストーリーで、読んでいる間も、読み終えた後も、とても気持ちが良い。小川洋子の硬質な文体に数式が良く似合っていた。
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ソフトバンクBB顧客情報流出の余波で「PC JAPAN」が休刊処分となった。ソフトバンクBBの顧客情報400数十万人分の流出問題に関連して、恐喝未遂容疑で警視庁に逮捕された容疑者のうちひとりが、ソフトバンクグループの出版する月刊誌に、30件あまりの記事を執筆していたことが明らかになった。これにともない、月刊誌「PC JAPAN」を休刊処分にした。
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梁石日の「血と骨」は、長篇小説だが、一気に読んでしまう面白さに満ちている。梁の父親をモデルにした金俊平という怪物的な人物をめぐる物語。とにかく、ぐいぐいと描いていく筆力に圧倒される。自伝的でありながら、歴史的であると同時に神話的な象徴性に満ちた作品に到達している。ここでも、父と子の確執がテーマになっていた。映画の公開が待ち遠しい。
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「世界の中心で、愛をさけぶ」(片山恭一著)が、国内作家未到の発行部数300万部を突破した。20日現在で、306万部となった。「バカの壁」(新潮社、2003年4月)は、351万部。
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片山恭一の小説「世界の中心で、愛をさけぶ」(小学館)の発行部数が7日、251万部に達し、国内作家の小説としては、過去最多部数になった。 出版は、2001年4月。出版科学研究所などによると、国内の作家の小説単行本では、1987年9月に出版された「ノルウェイの森」上巻の238万部が最多だった。
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ダン・ブラウンの長編ミステリー「ダ・ヴィンチ・コード」が、邦訳され、5月31日に角川書店から発売される。アメリカで売り上げ650万部突破のベストセラー。ダ・ヴィンチ絵画の謎が物語の中心。ルーヴル美術館館長ソニエールが館内で死体となって発見されたことでストーリーが転がりはじめる。
ニューヨーク・タイムズ紙のジャネット・マズリンは「すごい…非の打ちどころのない超大作。爽快にして巧妙なミステリー。ハリー・ポッターの登場以来、これほどまでに息もつかせぬ展開とこみ入った謎で読者を楽しませた作家がほかにいただろうか」と絶賛している。
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小説「血と骨」文庫本をインターネットで購入した。実はAmazon.co.jpで調べたら、「血と骨」の(上)が在庫切れ状態。仕方なく、幻冬舎本社から(上)を購入し、(下)をAmazon.co.jpで購入した。そして、先ほど見たら(上)もAmazon.co.jpで購入できるようになっていた。やれやれ。こういう(上)(下)ものやシリーズものは、在庫管理をしっかりしてもらいたいものだ。ゴールデン・ウイークは、濃厚な小説「血と骨」の世界に浸るつもり。
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ネビュラ賞2004の授賞式が、4月17日に行なわれる。ネビュラ賞(The Nebula Awards)は、作家・編集者・批評家などプロのSF関係者を組織したアメリカSFファンタジー作家協会 (SFWA) が、過去2年間のうちにアメリカ合衆国内で出版・発表されたSF作品を対象に、毎年授与する賞。
長篇(Best Novel、40,000語以上の作品)、長中篇 (Best Novella、17,500語以上、40,000語未満の作品)、中篇(Best Novelette、7,500語以上、17,500語未満の作品 )、短篇(Best Short Story、7,500語未満の作品 )の四部門のほか、巨匠に与えられるグランドマスター賞、スクリプト部門がある。ヒューゴー賞と双璧をなす。
ヒューゴー賞はファン投票によって選ばれる賞だが、ネビュラ賞は、SFWA所属のSFのプロフェッショナルが選出する賞と言える。
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■銀河・映画対談2001.12
「『アメリ』は、あまりに面白すぎる!!。『デリカテッセン』、『ロスト・チルドレン』と、こってりとしたグロテスクな美しさが持ち味のジャン=ピエール・ジュネが『観た人が幸せな気分になるような映画』を完成させた」「一人で幻想に浸っていた少女が、ひょんなきっかけで人々を喜ばせる楽しさを知り、スピード写真コーナーに落ちている捨てられた写真をコレクションしている青年ニノと恋に落ちる」「細部までジュネの美意識が生かされた映像。シャレていてテンポの良いストーリー運び。ふんだんに盛り付けられたくすくす笑い。本当に幸せな気持ちになれる」「フランスではヒットし過ぎて、『復古的なフランス回帰』に利用されそうになったほど。確かに移民が目立たなく、懐かしい雰囲気に満ちてはいるが、ここに描かれているのは、どこにもない街、おとぎばなしの世界だ」
「多くの人たちを喜ばせる作品ではあるが、下ネタもしっかりと盛り込んでいる。さすがジュネだ。そのアクの強さを中和するほわほわな存在が、アメリ・プーラン役のオドレイ・トトウ。彼女なしには、こんなにも爽快な悪戯っぽい味わいにはならなかっただろう」「好きなことが、クレームブリュレの表面のカリカリをスプーンで割る、豆の入った袋に手を入れる、川に小石を水平に投げて水切りするというのも、ぴったり。ナレーションを聞いて、思わず『分かる、分かる』とうなずいてしまった」「この作品は、細部までエスプリが効いていて、嬉しさがどんどん積み重なっていく。2000年の暮れには、トリアーの悪意とビョークの歌声に圧倒されたが、2001年の最後は、ジュネの魔術とトトウの愛くるしさにやられてしまった」
「『ハリー・ポッターと賢者の石』(クリス・コロンバス監督)は、100カ国以上で出版され1億部を売ったと言う大ベストセラーの映画化。11歳の誕生日を迎えた額に稲妻形の傷を持つハリー・ポッターに、魔法魔術学校の入学許可証が届き、さまざまな体験をくぐり抜けていく」「そうそうたるスタッフとキャストをそろえ、ハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフも、適役だと思う。彼の成長とともにシリーズ化が決まっているので、彼はハリー・ポッターとして記憶されることが運命付けられたわけだ」
「原作を忠実に再現しているために、2時間半と長めになっている以外は、まとまった印象で、CGもそつがなく手堅い仕上がり。そこそこ面白い。万人に受け入れられるだろう」「しかしながら、映画的な感動は乏しい。映画は、やはり映画的な手法で自由に構成した方が楽しめると思うが」
「私にとっては、ハリー・ポッターよりもサリー・ポッター。新作『耳に残るは君の歌声』を心待ちにしてきた」「『オルランド』、『タンゴ・レッスン』と、才気に満ちあふれた作品を発表してきたが、今回は一見、一人の女性を通じて差別されてきた人たちの歴史的な悲劇を扱った普通の作品に見える。しかしながら、サリー・ポッター監督の才気は衰えていない」「的確に選ばれた音楽によって、人々の言いしれぬ思いを表現するという手法のみならず、ストーリー展開やキャスティングにも、監督ならではの機知に満ちた配慮が込められている。アメリカに渡った父がミュージカル映画を製作していたという部分やユダヤ人役の多いジョン・タトゥーロに差別主義の声楽家の役を配した点など、探していけば、いろいろ楽しめる」
「音楽の力だけではなく、映像の力も大きい。自在で巧みな映像撮影は、古くは『去年マリエンバートで』、近年はピーター・グリーナウェイの作品で耽美的な作風を残したサッシャ・ヴィエルニー(2001年5月15日死去)。この作品が遺作となった。『ノスタルジア』で異様なまでの切ない存在感をみせたオレグ・ヤンコフスキーが父親役で登場するのも嬉しい」「子役のクローディア・ランダー=デュークは、めちゃくちゃに上手、クリスティーナ・リッチもとても魅力的だ。ジョニー・デップもケイト・ブランシェットも上手い。この配役と切れの良い映像と叙情的な音楽。見終わった後の不思議な味わいは、さすがサリー・ポッターだ」
「12月14-16日に屋台劇場まるバ会館で、『かわなかのぶひろ作品集・日常の実験』が行われた。1941年、東京生まれ。若くして両親を失っている。1960年代前半から実験映画の制作を始め、常に一線で作品を撮り続けてきた。イメージフォーラム設立など、上映活動、教育活動でも重要な位置にいる。今回は、かわなか氏自身が作品を解説しながらの上映というまるバ会館ならではの貴重な企画だった」
「かわなか氏は『肉声が通る場所で上映するのは珍しいこと。東京では非常に広い会場で上映することが多かった。しかし、違うなと思う。僕らの映画は大スクリーンに映して見るものではない。小さなスクリーンで密度のある会場で見るのが、ぴったりくるのではないかという感じがする。まるバ会館に強引にやってくれないかとプロポーズした。そうしたら、引き受けてもらって、こういう上映が実現した』とあいさつ。かわなか氏の方から、まるバ会館での上映会を希望したことを明らかにした」
「『フィードバック』はヌードがタブーだった時期に、それを打ち破るために制作。数枚の静止画が、編集によって生き生きと動きだす。『スイッチバック』は、記憶にアプローチした初めての作品。古いニュースフィルムと絵はがきが、懐かしい感覚を呼び戻す。かわなか氏は、現在まで一貫して記憶をテーマにして作品を作り続けてきていると言っても過言ではない。その意味で極めて重要な位置にある。『映像書簡2』は、『イメージのピンポンゲーム』という感じの萩原朔美氏との共作だが、あまりにもち密すぎて共作とは思えない。『Bふたたび』は、光と戯れ、映像が交錯しスピード感がある。映像実験としても先駆的な作品だ」
「『時の繪』はミャンマーの生活を撮影した最近の作品。人々の笑顔の素晴らしさが印象的で温かい。目線は高くなく、かわなか氏がかつての自分をオーバーラップしていることが、素直に伝わってくる。『人の表情が豊かで99%の人がカメラの方を見ている。ビューファインダーを相手に見せて距離を詰めて撮る。そうすると、コミュニケーションができるような感じがする。マーケットの色彩と少年少女を撮った』と、かわなか氏は解説した」
「『いつか来る道』は、最も新しい作品。『自分自身のことを描くことを避けてきたが、この年になって、ちょうどいいやということで、生い立ちを双六でたどってもらう。言わば名刺代わり』という異色の構成。最後が『また振り出し』となっていたのを、再スタートの宣言と受け取ったのは、素直すぎるか。『私小説』シリーズには、最も感動した。毎日撮り続けてきた8ミリの記録を編集したものだが、この編集の力がすごい。すごいと感じさせないところがすごいのだ。普通ならは捨てるカットを選び、選ぶような素材を意図的に排除している。それでいて、飽きさせない。個人の記憶と時代の記憶の交差が、紋切り型ではなく、身の丈の感覚でひたひたと静かに伝わってくる。予定外で上映した『キャンバス』は、ニューヨークで見つけた戦争の実写フイルムと現在の東京を交互に映す。それまでの作品からは、あまり感じなかった監督の戦争へのまなざしが存在した」
「『冷静と情熱のあいだ』(中江功監督)には、まいった。イタリアと日本を往復する10年にわたる恋の軌跡。ストーリーも映像も音楽も、その世界に浸りきれば、感動をさそう高い水準にあることは認めるが、あまりの純愛さに、こちらが気恥ずかしくなってしまう」「この気恥ずかしさは『ゴースト・ニューヨークの幻』(ジェリー・ザッカー監督)以来のこと。私は、嘘だろうという気持ちになるが、その嘘の世界を甘い夢として楽しめる人には傑作なのだと思う」
「海外ロケを取り入れた邦画のラブストーリーはかなりの数にのぼるが、それらの中では傑出した作品と言える。多くの日本の作品にただよう低予算な印象がない。外国でも日本の俳優が浮いていない。映像の切り取り方もセンスがいい。音楽にエンヤを起用したのも正解だ。美術もファッションも気配りが行き届いている。そして、日本にもイタリアにもマッチする竹野内豊とケリー・チャンの初々しいカップル。彼等でなければ、このすれ違いストーリーは、成り立たなかっただろう。とりわけ、竹野内豊の実直な存在感は、今後に期待が持てる」
「『ロードキラー』(ジョン・ダール監督)では、車の無線『CBラジオ』での、ちょっとした悪ふざけが、とんでもない恐怖へと変わる。最後まで、姿を見せないトラッカー・ラスティ・ネイルが執拗に迫る」「最近珍しい日常の延長線上にある恐怖を描いた作品。車、モーテル、無線という道具立ても、けっして新しくない。ジョン・ダール監督は、意識して昨今の映画の傾向に背くように、古い構図の中で、青年たちの行動を描写していく」
「駄作というほどではないが、ミステリーとして、あっと驚くような展開が用意されているわけではない。フラー、ルイス、ヴェナという3人の関係が変化していく青春映画としても、目新しさはない」「破綻なく最後まで見せる力はあるが、満足感よりは失望感の方が強く残った。3人のおののきが弱すぎるし、ラスティ・ネイルの邪悪さも足りない」
「『メメント』(クリストファー・ノーラン監督)に、くらくら」「ショックによって、新しい記憶が10分間で消えてしまう前向性健忘という記憶障害になった主人公レナードは、愛する妻をレイプ後に殺した犯人を追っている。ストーリーは断片化され、映像は最後から巻き戻されたような独創的な構成。しかし、単純な逆回しではなく、多くの謎が散乱している。最後には、あっと驚く結末が用意されているが、憎悪の無限ループを悪用されたという解釈も、素直に信じられない。黒沢明の『羅生門』とは、別な次元での宙づり状態に陥る」
「観る者の記憶力をためすかのような展開だが、記憶のあいまいさを自覚させるという効果もある。前向性健忘を追体験しているのではなく、記憶という何気ない作用の恐ろしさに気付かされる」「作品構成の秀抜さに目を奪われてしまうが、ガイ・ピアースは、難しい役を巧みにこなしていて、あらためて上手さを感じる。キャリー・アン・モスも、悪女という新しい側面を浮かび上がらせた」
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1979年創刊の月刊誌「噂の真相」が、10日発売の4月号を最後に、ついに休刊した。発行人・編集長の岡留安則氏は「名誉棄損訴訟の賠償額が高額化し、スキャンダル報道が成り立たなくなった」と理由を説明している。ひとつの時代が終わった感がある。
政財界、芸能界などのスキャンダル記事で注目された。1999年には、当時東京高検検事長だった則定衛氏の愛人問題をスクープし、同氏を辞任に追い込んだ。しかし記事に対する抗議、訴訟も多く、、岡留氏自身も作家に対する名誉棄損事件などで係争中だ。
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作家・松下竜一(67歳)が、火力発電所反対運動の会報としてして創刊し、環境保護や反戦平和をテーマに、1973年から30年間発行し続けたミニコミ「草の根通信」が、6月号を最後に休刊する。昨年6月、福岡市内で講演中に脳内出血で倒れ、一時意識不明の状態に。パソコンで短い文章を書けるまで回復したが、考えがうまくまとまらない。復帰に見通しがつかないため、支援者が6日、会合を開き休刊を決めた。
松下さんは、1969年「豆腐屋の四季 ある青春の記録」でデビュー。環境問題など、多くの著作がある。本人や家族をユーモラスにつづった小説・エッセー、えん罪や企業爆破犯などを取り上げた社会派ノンフィクションを網羅した著作集「松下竜一 その仕事」(河出書房新社)30巻が、途中1年間休刊しながらも2002年2月に完結している。生活者の視点から、一貫して反公害、反権力を貫いている。
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「OUT」の面白さが、アメリカでも評価された。アメリカのミステリー作家協会は、同協会が主催するエドガー賞の今年の最優秀小説賞候補4作品の1つに「OUT」(桐野夏生著)を選んだ。日本人作家がノミネートされたのは初めて。アメリカでは昨年翻訳出版された。選考結果は4月末に発表される。
平山秀幸監督がブラックなコメディ・タッチで映画化した「OUT」も話題になったが、小説「OUT」は家庭崩壊、老人介護、借金地獄、家庭内暴力という危機的な状況でもがきながら生きる人々を描いて、すごみがあった。
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「イヨクニガミエルゾ」=1492年。コロンブスの新大陸発見。学校で覚えさせられたが、少し調べるうちに、コロンブスの新大陸は、その後のヨーロッパ資本主義の発展に寄与したためだということが理解できた。世界史はヨーロッパの目で書かれている。コロンブスに先駆けてアジア人が、世界を航海していたことは、世界各地の遺跡でほぼ予想がついていた。しかし、学問的に解明されるのは、難しいと諦めていた。しかし、ついに膨大な資料を積み重ねて説得力のある史実を明らかにした本が出版された。
著者のギャヴィン・メンジーズは、「日本語版へ寄せて」でこう書いている。「北アメリカやパナマ、エクアドル、コロンビアなどの先住民のDNAのなかには、日本人や中国人に近い特徴を示すグループがあるという遺伝学者の調査結果もある。それは、太古の民族移動によるものではなく、比較的新しい時代に海を越えて渡ってきた中国人や日本人から受け継がれた可能性が高い。鄭和の航海に随行した日本や琉球の船は、ヨーロッパに先駆けて新大陸に到達していたのだ。地図さえなかった時代に、日本や琉球の人々は苦難の船旅を乗り越えて世界のあちこちに到達し、痕跡をとどめた」
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第10回日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」(遠藤徹著)を読んだ。不気味というよりは、悪趣味な世界である。脂祭りの夜に初めて見た太い串に胴体を貫かれ泣き喚く姉に魅せられ、姉を買って虐待することにのめり込んで破滅していくという短編。林真理子は「上質の不気味さ」、高橋克彦は「いままでとは別の次元から送られてきた作品」と評価しているが、インターネットやコミケなどの、いわゆるサブカルチャーの世界では、はるかにぶっ飛んだアイデアと表現に満ちた作品があふれている。
短編での大賞受賞というと「ぼっけえ、きょうてえ」(岩井志麻子著)が思い出される。この作品は、その手さばきの鮮やかさに感嘆したものだが、「姉飼」の意図的に下手に書いた文章はともかく、どのアイデアも表現も中途半端で突き抜けていない。ラストの凡庸さにも驚いた。選考委員は脂祭りに迷い込み、失神するほど臭い蚊吸豚の匂いで、きっと判断が狂ったのだろう。同じ悪趣味ならば、生首をフルーツで飾るシーンから始まり、全編に果実の芳香と腐敗臭が満ちている「妹の島」の方に、ひらめきや勢いを感じる。
悪趣味といえば、この本の装丁が一番悪趣味だと思う。読者を拒絶するほどひどい。
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桐野夏生の「光源」は、殺人が起こらない緊迫のサスペンス小説だ。「ポートレート24」という映画作品が、できるかどうか、ハラハラしながら読み続けた。映画プロデューサー・玉置優子、ベテラン撮影監督の有村、新人監督・三蔵、有名俳優高見とアイドルくずれの女優佐和。小説は、それぞれの視点から描かれていく。粘ついた欲望と人間関係。それぞれの傷と夢。さまざまな「光源」が、思わぬ事実を浮かび上がらせる。
単行本の帯には「これまで誰も読んだことのない小説」と書かれていた。桐野夏生の最近の作品は、みなそうだ。きりっとした芯を持ちながら、通常の小説を内側から食い破って増殖していく。しかし簡潔で巧みな表現、的確な構成力が破綻を魅力へと変えている。
桐野夏生はインタビューに、こう答えている。「ジャンルもわからないし、的確な帯のコピーさえも書けない変な小説。不思議な仕事をした」
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「バカの壁」が、まさにバカ売れ。ベストセラーを続けている養老孟司著「バカの壁」(新潮新書)の発行部数が、232万部を超え、永六輔著「大往生」(岩波新書)の230万部を上回って、新書史上の新記録になった。小泉首相も面白かったと言ったとか。小泉首相の姿勢とは、対極にある本だと思うか。「バカの壁」は、それぞれの人が自分の限界を自覚して相互理解を深めようという主張が基本。小泉首相は「どうせバカの壁があるから通じない」と誤読しているのではないか。「『話せばわかる』なんて大ウソ!」というコピーも、誤解されているかも。
巷では、バカを題名に取り入れた本が増えているそう。書店では、「バカ本フェア」なども企画されているらしい。これだけ「バカの壁」が売れたのだから仕方ないが、「バカ本」とは。「天才バカボン」も含まれているのかな。
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