映画「天心」(松村克弥監督)を観ました
岡倉天心の没後100年の節目を記念した映画「天心」(松村克弥監督)を観ました。映画の感想は、後日まとめるとして、まずは岡倉天心の半生が映画化されたことを喜びたいと思います。
岡倉天心は50年の生涯で信じがたいほど精力的に活動しました。
(1)古美術の保存、保護に尽力(2)新しい日本画の創造(3)東洋文化の欧米への紹介。どれをとっても歴史的な画期的な活動です。
英文による「茶の本」(1906年)は、今でも輝き続けています。私が若くして最初に読んだとき、次の文章が心に刺さりました。この文章は、年を重ねるにつれて重みを増して行きました。
「西洋人は、日本が平和な文芸にふけっていた間は、野蛮国と見なしていたものである。しかるに満州の戦場に大々的殺戮さつりくを行ない始めてから文明国と呼んでいる。近ごろ武士道――わが兵士に喜び勇んで身を捨てさせる死の術――について盛んに論評されてきた。しかし茶道にはほとんど注意がひかれていない。この道はわが生の術を多く説いているものであるが。もしわれわれが文明国たるためには、血なまぐさい戦争の名誉によらなければならないとするならば、むしろいつまでも野蛮国に甘んじよう。われわれはわが芸術および理想に対して、しかるべき尊敬が払われる時期が来るのを喜んで待とう」
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