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2015.05.23

「妻への家路」

「妻への家路」は、チャン・イーモウ監督の記念すべき20作目です。女優コン・リーを8年ぶりに迎え、文化大革命で引き裂かれた夫婦の絆を描いた物語です。1977年に、文化大革命が終わり、収容所から解放されたルー・イエンチーは、妻のフォン・ワンイーと再会しますが、ワンイーは心労から記憶障害となり、イエンチーを夫だと認識することができなくなっています。イエンチーは、妻の記憶を戻そうと、努力を続けます。

文化大革命の理不尽さを描いた、痛烈な体制批判の作品ですが、老練な監督は、巧みな演出で作品を仕上げます。夫が受けた拷問は描かれません。妻が受けた暴行も描かれません。派手な演出はしていませんが、脱走して逢いにきた父を娘が党に密告する場面は、胸に迫ります。

中国では、若い人向けの娯楽的な作品が多いそうですが、チャン・イーモウ監督はそんな現状の中で歴史を夫婦の絆というかたちで描きます。激動の時代を生き抜いてきた監督の思いが心にしみます。

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