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2015.05.23

「セッション」

28歳のデイミアン・チャゼル監督は、長編2作目で「セッション」を作り上げました。2014年の第30回サンダンス映画祭でグランプリと観客賞を受賞しました。

プロのジャズドラマーを目指して名門の音楽学校に入ったニーマンは、伝説の教師と言われるフレッチャーの指導を受けます。フレッチャーはニーマンを口汚くののしり、レッスンは壮絶なシゴキになっていきます。J・K・シモンズがフレッチャーを怪演しています。戦慄に果てに笑いが訪れるという演技の高みに達しています。

フレッチャーの理不尽なシゴキが天才をつくるという信念は間違いです。偶然1人の天才が誕生するかもしれませんが、100人の天才の芽をつぶします。さらに音楽を深く愛しているかに見えたフレッチャーが、コンサートで音楽を使って復讐しようとする場面では、その卑劣さに唖然とします。音楽関係者が、憤慨するのは分かります。私も、あまりのことに怒りを覚えました。

しかし、そんな卑劣さ動機によって始まった演奏シーンは、とんでもない名演奏を生み出します。フレッチャーとニーマンは、その高みを共有します。芸術の魔法です。この作品は、そんな奇跡的な場面を描くために生まれました。

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