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2014.12.18

■「6才のボクが、大人になるまで。」

■「6才のボクが、大人になるまで。」

リチャード・リンクレイター監督・脚本による群像劇。6歳の少年メイソンの成長とその家族の変化を、同じ俳優が主人公や家族を演じ、2002年の夏から2013年の10月まで、12年にわたって撮り続けて完成しました。主人公メイソンはエラー・コルトレーン、メイソンの母はパトリシア・アークエット、メイソンの父はイーサン・ホーク、姉サマンサは監督の娘ローレライ・リンクレーターが演じています。

毎年、夏に行われた撮影では、1年間に起きた出来事をみんなで話し合い、物語に反映させていきました。12年間。奇跡のような出来事です。「ビフォア・シリーズ」でイーサン・ホークとジュリー・デルピーの恋仲を18年かけて3作の映画で表現したリンクレイター監督にしかなし得ない偉業です。第64回ベルリン国際映画祭で、監督賞にあたる銀熊賞を受賞しています。

カリフォルニア州の法律では、7年以上にわたる仕事の契約を結ぶのは違法となるので、契約書にサインすることができませんでした。リンクレイター監督は、イーサン・ホークに撮影期間中に自分が死んだなら、自分の代わりに作品を仕上げるように頼んだそうです。

テキサス州に住む6歳の少年メイソンは、姉サマンサと一緒に、大学で学ぶという母とともにヒューストンに転居し、新しい生活を始めます。アラスカから戻って来た父と再会し、母の再婚、義父の暴力、そして初恋を経験していきます。メイソンはアート写真家としての道を歩き始めます。

まるで最初から意図したかのように、アメリカの歴史的変化が、しっかり盛り込まれています。そして、おむすび型のiMacから始まってiPhoneまで、まるでアップルのCMのように次々に登場し、時代の変化をさりげなく示します。様々な道具が、くっきりと時代を表しています。

165分という上映時間ですが、大きな事件があるわけでもないのに、巧みな会話とテンポの良い展開で飽きません。一人一人の内面を繊細に描いています。かけがえのない、要約することのできない時間が流れています。この映画そのものが、かけがえのない歴史的な傑作です。

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