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2014.09.27

■キューバ映画祭 CUBA FILM FESTIVAL 2014

9月6日(土)、9月7日(日)に開かれたキューバ映画祭 CUBA FILM FESTIVAL 2014に参加しました。上映された4作品を見ることができました。

最初に観た作品は、2010年制作の「チコとリタ」。1940年代末のキューバが舞台です。フェルナンド・トルエバ監督が、スペインを代表するアーティストのハビエル・マリスカルとタッグを組みました。ジャズ・ピアニストの青年チコと歌手リタの物語なので、キューバ音楽に溢れたアニメです。音楽監修と劇中のチコのピアノ演奏は、キューバ音楽の黄金時代のベボ・バルデスです。

一方、フェルナンド・トルエバ監督の「カンデアルの奇跡」は、2004年のドキュメンタリー作品です。85歳のキューバ人ピアニスト、ベボ・バルデスが念願だったブラジルのバイーアを訪れます。自らの音楽とアフリカ系黒人としてのルーツを探っていきます。ブラジル人ミュージシャンとのセッションが素晴らしい。若い人たちと楽しそうに演奏する姿が印象的です。世代を超えたつながり。元気がわいてくる、とても高揚感のある作品です。ゴヤ賞で、最優秀ドキュメンタリー映画賞と最優秀オリジナル歌曲賞の二つの賞を受賞しています。

「低開発の記憶-メモリアス―」。1968年の作品ですが、キューバ革命直後の状況が、紋切り型でなく描かれています。カストロが社会主義宣言を行なった1961年、妻や両親が亡命を決める中、キューバにとどまり、「低開発」な国と呼ばれたキューバを冷ややかに見つめるセルヒオが主人公です。

 「苺とチョコレート」で有名な、キューバのトマス・グティエレス・アレア監督が、キューバ革命後のハバナを背景に、ブルジョア青年の孤独を追ったドラマです。中に登場するドキュメンタリー映像も貴重です。

「低開発の記憶」の続編とも言うべき「セルヒオの手記-ユートピアからの亡命」は、ミゲル・コユーラ監督作品。キューバ映画祭での上映が、日本初上映です。過激とも言える容赦のない表現によって、セルヒオの苦悩が描かれていきます。

革命後のキューバで検閲を受けた小説家セルヒオは、アメリカへ亡命します。ニューヨークの大学教員となり、キューバ革命について講義する彼は、革命への憧れを抱く女子学生とのスキャンダルによって、大学を追われます。アメリカの居心地の悪さを体験します。

キューバにもアメリカにも居場所がないセルヒオの存在が、様々な女性たちとの関わりや、おびただしい映像コラージュ、キューバの回想シーンなどを通じて重層的に描かれています。痛々しさが心にしみます。「社会変革の可能性」という大きなテーマが、等身大の生き様として表現されています。人類の未来を問う力作でした。

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