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2014.08.21

■「ホドロフスキーのデューン」

フランク・パビッチ監督のドキュメンタリー作品「ホドロフスキーのデューン」を観て、あらためて映画の歴史について考えました。アレハンドロ・ホドロフスキー監督が、1975年にフランク・ハーバートの「デューン 砂の惑星」を映画化しようと企画します。

特撮担当にダン・オバノンを抜擢、メビウス、H・R・ギーガー、ピンク・フロイドら才能あふれるスタッフをそろえ、サルバドール・ダリやミック・ジャガー、オーソン・ウェルズを俳優として登場させる驚くべき内容でした。

ホドロフスキー監督の口から語られる、有名で癖のある人たちを次々と説き伏せていく制作秘話は、事実とは思えないほど魅力的でした。ホドロフスキー監督の存在なしには、けっして起こりえなかったと思います。

映画のための膨大なデザイン画や脚本資料は分厚い本にされて映画会社に渡されますが、企画は撮影前に中止となってしまいます。映画界の常識に反した壮大な企画だったからです。ホドロフスキー監督の癖の強さも映画会社は嫌いました。

しかし残されたデザインや物語は、その後のSF作品に多大な影響を残しました。盗用したと言われてもおかしくないレベルです。「スターウォーズ」「エイリアン」「ブレードランナー」などへの影響は明らかです。膨大なSF、ファンタジー映画に影響を与えています。

映画は、単独の作品とともに、制作者やほかの作品とのつながりも面白いのですが、制作されずに闇に葬られた「ホドロフスキーのデューン」が、その後の映画史を書き換えるような存在であったことが明らかにされる本作の面白さは、格別です。呆然としつつ、深く感動しました。

多くのインタビューが紹介されますが、中でもことし5月12日に亡くなったH・R・ギーガーの証言は貴重です。ギーガーは、この企画をきっかけに「エイリアン」のデザインを手がけるなど、独創的な作品は世界中に絶大な影響を与えています。

ホドロフスキー監督は、サルバドール・ダリが紹介した写真集でギーガーを知ります。悪役ハルコンネンのイメージにぴったりだと高く評価し、参加を求めます。ギーガーは「映画の仕事はまったく初めてで、胸が躍る思いだった」と懐かしそうに当時を振り返っていました。

このドキュメンタリーの制作を通じて、音信不通だった「DUNE」のプロデューサー、ミシェル・セイドゥーとホドロフスキー監督が再会を果たします。そしてホドロフスキーにとって23年ぶりの新作となる「リアリティのダンス」が製作され、公開されてました。その事実も感動的でした。

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