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2014.08.23

■「ヴィオレッタ」

「ヴィオレッタ」(原題:My Little Princess)は、2011年公開のフランスの映画。母親である写真家イリナ・イオネスコの被写体として幼い頃からヌードを含むモデルとなっていた女優・エヴァ・イオネスコが、その経験を基にした母親と娘の物語を自ら監督した作品です。初の長編劇映画監督作品です。

1977年に刊行されたイリナ・イオネスコの写真集「鏡の神殿」については、シュールレアリズム的でバロック的な作風が話題となったのを覚えています。不思議な雰囲気の写真集でした。

スキャンダラスな実話を、当事者が自ら映画化したということで、カンヌ映画祭を騒然とさせました。児童ポルノにあたるかどうかが真剣に議論されました。日本では、一時上映ができないと映倫に判断されました。

話しとしては衝撃的ですが、当事者らしい慎重な配慮がなされています。妖艶で耽美的な場面もありますが、映画的には上品と言っていいでしょう。

母親役のイザベル・ユペールは、難しい役を巧みなこなしていました。さすがベテランです。娘役のアナマリア・ヴァルトロメイは、撮影当時11歳。その美しいポーズに驚かされます。とりわけ、シド・ヴィシャスとのシーンが印象的でした。この作品の後、パリでモデルとして活躍しています。映画の出演も決まっているようです。

エヴァの母親に対する気持ちは屈折しています。激しく愛と憎しみが交差しています。
2012年11月12日、エヴァは、子供の頃のヌード写真撮影およびその出版について、損害賠償と写真返却を求める裁判を起こし、勝訴します。

ラストで施設に入れられていたヴィオレッタは、面会に訪れた母親に気付くと、施設の窓を抜け出して、母の「愛している」という声を振り切り、草原を駆け抜けていきます。唐突な終わり方ですが、監督の切実さがにじんだラストシーンです。

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■「オール・ユー・ニード・イズ・キル」


ダグ・リーマン監督。トム・クルーズ主演。2004年12月に刊行された桜坂洋(さくらざか ひろし)のライトノベルの映画化です。日本のライトノベルが大作のハリウッド映画として映像化されたのは初めてです。 「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は、ビートルズの「All You Need Is Love」から付けられた題名ですね。アメリカの題名は「Edge Of Tomorrow」です。
 
軟弱な主人公が、戦闘と死を幾度もループし戦闘力を身に付けていく物語。主人公がトム・クルーズというところがミソです。出てきてすぐに死んでしまいます。驚きますが、すぐに生き返ります。そしてどんどん強くなっていきます。
 
異星人が地球を惑星改造するため土木作業用ナノマシン・「ギタイ」を送り込み全世界で人類と戦争している近未来が舞台です。CGではなく実物の機動スーツで撮影している点が面白いです。原作者の桜坂氏は、実際にスーツを身に着け、撮影に参加しましたが、30回くらいテイクを重ねた末、結局完成した映画には使われていませんでした。
 
主人公は、「ギタイ」と戦って死亡しても、目が覚めると戦う前のポイントに時間が巻き戻るというループ能力を持っています。戦った記憶は残っているので、作戦を立て戦闘能力がアップします。この辺が、見所です。
 
映画は、たたみかけるようなスピーディな展開で、よくまとまっています。ただハリウッド的な作風へと置き換えられています。
女性兵士のリタが、いかにもな精悍さを持っていて、そして、いかにもなハッピーエンド。原作はひねりがあって、もっと切ない結末です。私は、ライトノベルを元にしたコミック版が好きです。

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2014.08.22

■「GODZILLA ゴジラ」

「ゴジラ」。2014年のアメリカの怪獣映画です。
監督は、新人のギャレス・エドワーズ。熱烈なゴジラファンです。ゴジラの雄叫びをはじめ、日本映画のゴジラへのオマージュが伝わってきます。そして苦心の跡も感じます。ただ、やはりハリウッド映画なので、複雑な思いで作品を見つめました。

ゴジラの60年の歴史を簡単に振り返ってみます。
1954年11月3日、当時社会問題となっていたビキニ環礁の核実験に着想を得て、第1作“水爆大怪獣映画”『ゴジラ』が公開されました。ゴジラは「核の落とし子」と呼ばれました。

しかし第5作『三大怪獣 地球最大の決戦』でゴジラが人類の味方として扱われて、次第に娯楽作品化し、ゴジラの擬人化が進みました。シリーズは飽きられていきます。

一方、1998年にはハリウッド版『GODZILLA』も公開されましたが、アメリカでも、あれは「ゴジラ」ではないと酷評されました。イグアナみたいでした。

日本では、1999年のシリーズ第23作『ゴジラ2000 ミレニアム』でゴジラ映画が再開します。ゴジラは地震や台風などの自然災害と同じように文明への脅威の存在として設定されました。

ゴジラ50周年の節目である2004年には、第28作『ゴジラ FINAL WARS』が公開され、ゴジラシリーズは再度終了します。
『ゴジラ FINAL WARS』の不評による商業的失敗で、東宝は以後10年間ゴジラ映画を製作しないと発表します。カイル・クーパー制作のゴジラ50年の歴史を描いたオープニングタイトル映像は、めちゃくちゃかっこいいです。
そして、10年後に本作が公開されました。

冒頭、巨大なゴジラの化石らしいものが発見されます。ユニークな展開に期待が高まります。ストーリーは、とってつけたような感じですが、ゴジラの超絶感、人類の無力感はよく出ていました。ゴジラのデザインもなかなか良かったです。時々はっとするような見事な映像にも出会えます。
ただ、相次いだ核実験を怪獣への攻撃として正当化したり、大都市の近くで核爆発させたりと、ハリウッドの無神経さを感じさせる場面もあります。

ゴジラと戦う「ムトー」と名付けられた巨大生物がロボットみたいで違和感がありました。昆虫をイメージしているのでしょうか。ラドンみたいな鳥にした方が自然だったと思います。

とても印象的だったのは、渡辺謙の演技です。
ヒロシマの原爆投下で被爆した実父を亡くしている芹沢(せりざわ)博士役の渡辺謙は、「ゴジラ」の発音について、監督から英語調の発音を求められますが、頑なに拒否し、「ゴッジラ」ではなく、「ゴジラ」と、日本語のまま発音しています。ちょっと感動しました。
この映画がヒットしたので、続編がつくられることが決まっています。2018年6月8日に全米公開予定。ゴジラのほか、ラドン、モスラ、キングギドラが登場する内容になりそうです。

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2014.08.21

■「ホドロフスキーのデューン」

フランク・パビッチ監督のドキュメンタリー作品「ホドロフスキーのデューン」を観て、あらためて映画の歴史について考えました。アレハンドロ・ホドロフスキー監督が、1975年にフランク・ハーバートの「デューン 砂の惑星」を映画化しようと企画します。

特撮担当にダン・オバノンを抜擢、メビウス、H・R・ギーガー、ピンク・フロイドら才能あふれるスタッフをそろえ、サルバドール・ダリやミック・ジャガー、オーソン・ウェルズを俳優として登場させる驚くべき内容でした。

ホドロフスキー監督の口から語られる、有名で癖のある人たちを次々と説き伏せていく制作秘話は、事実とは思えないほど魅力的でした。ホドロフスキー監督の存在なしには、けっして起こりえなかったと思います。

映画のための膨大なデザイン画や脚本資料は分厚い本にされて映画会社に渡されますが、企画は撮影前に中止となってしまいます。映画界の常識に反した壮大な企画だったからです。ホドロフスキー監督の癖の強さも映画会社は嫌いました。

しかし残されたデザインや物語は、その後のSF作品に多大な影響を残しました。盗用したと言われてもおかしくないレベルです。「スターウォーズ」「エイリアン」「ブレードランナー」などへの影響は明らかです。膨大なSF、ファンタジー映画に影響を与えています。

映画は、単独の作品とともに、制作者やほかの作品とのつながりも面白いのですが、制作されずに闇に葬られた「ホドロフスキーのデューン」が、その後の映画史を書き換えるような存在であったことが明らかにされる本作の面白さは、格別です。呆然としつつ、深く感動しました。

多くのインタビューが紹介されますが、中でもことし5月12日に亡くなったH・R・ギーガーの証言は貴重です。ギーガーは、この企画をきっかけに「エイリアン」のデザインを手がけるなど、独創的な作品は世界中に絶大な影響を与えています。

ホドロフスキー監督は、サルバドール・ダリが紹介した写真集でギーガーを知ります。悪役ハルコンネンのイメージにぴったりだと高く評価し、参加を求めます。ギーガーは「映画の仕事はまったく初めてで、胸が躍る思いだった」と懐かしそうに当時を振り返っていました。

このドキュメンタリーの制作を通じて、音信不通だった「DUNE」のプロデューサー、ミシェル・セイドゥーとホドロフスキー監督が再会を果たします。そしてホドロフスキーにとって23年ぶりの新作となる「リアリティのダンス」が製作され、公開されてました。その事実も感動的でした。

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2014.08.09

■50万人のフォロワーと仮想空間で


2014年の秋にかけて、私のインターネット体験をまとめようと考えています。そして、Twitterで緩やかにつながっていただいている50万人のフォロワーの一人一人に感謝の気持ちを伝えたいと思います。現実には、50万人のフォロワーとお会いすることはできませんが、仮想空間なら可能かもしれません。没入型仮想現実を体験できるオキュラス・リフトへの期待が高まります。そんな気持ちを込めてFacebookページの題名を「50万人のフォロワーと仮想空間で」としました。電子書籍の仮称です。
https://www.facebook.com/500000fo
https://twitter.com/tawarayat

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2014.08.07

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2014.08.06

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