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2014.02.21

「もうひとりの息子」

「もうひとりの息子」は、イスラエルとパレスチナという対立関係にある家族の間で、取り違えられた子どもをめぐる物語。ユダヤ系フランス人のロレーヌ・レヴィが監督と脚本を担当しています。騒々しいアメリカ映画を観た後だけに、なおさら心にしみたフランス映画です。第25回東京国際映画祭でグランプリと最優秀監督賞を受賞しています。

テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人のヨセフは、18歳になって兵役検査を受けます。そこであり得ない診断結果が明らかになります。18年前、湾岸戦争の混乱の中で病院の手違いによって別の赤ん坊と取り違えられていたのです。もう一人の子供はパレスチナ人のヤシンでした。

同じ国でも赤ん坊の取り違えは深刻な問題ですが、対立するイスラエルとパレスチナの子供の取り違えは、計り知れない衝撃です。その苦悩の中で、光を見いだしていく家族の姿が繊細に描かれていきます。固唾をのんで見続けました。

政治、宗教の壁を、偶然の手違いによって、乗り越えざるをえなくなった家族と青年。その姿は、やはり感動的です。「もうひとりの息子」という題名は、両親のたどり着いた思いですが、本人たちにとっては「もうひとりの自分」、自分という存在の相対化です。普遍的なテーマが描かれています。

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