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2014.02.26

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2014.02.23

「小さいおうち」

「小さいおうち」は、82歳の山田洋次監督の82作目の作品。中島京子が2010年に直木賞を受賞した小説の映画化です。さすがの巨匠です。小津作品へのオマージュを捧げながら、すべてのカットが手堅く自然に流れていきます。映画が、心地よく身体にしみ込んでくる感じです。


映画は、一人暮らしのタキが孤独死し、残された遺品の中から大学ノートに綴った自叙伝が見つかる場面から始まります。タキは、昭和初期、東京郊外に建つモダンな赤い屋根の家で、お手伝いさんとして働いていました。戦争へと日本が傾いていく中で、タキは妻の時子と夫の会社の後輩の青年との恋愛を知って苦しみます。山田洋次監督が性の問題、同性愛の問題にまで踏み込んでいく姿に驚かされます。

泥沼の戦争へとなだれ込んでいく日本を、日常生活の変化と、それに伴う意識の変化をきめ細かく描くことで、恐ろしいリアリティを生み出しています。原作の小説が生まれたとき、この作品が企画されたとき以上に、恐ろしいリアリティを感じます。東京オリンピックの開催が決まる場面には、ぞっとしました。この作品の秘密は、恋愛とともに、そこにもあるのかもしれません。


ことしのベルリン国際映画祭で、23歳の黒木華(くろき・はる)が最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞しました。2月16日のことです。2010年の寺島しのぶ以来4人目。寺島しのぶのアクの強い演技に比べ一見地味ですが、演技の幅と繊細さは群を抜いています。山田監督は「ぼくもびっくりするくらいの出来事。この子が国際的女優になれて、ホントにうれしいです」と絶賛しています。

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2014.02.21

「もうひとりの息子」

「もうひとりの息子」は、イスラエルとパレスチナという対立関係にある家族の間で、取り違えられた子どもをめぐる物語。ユダヤ系フランス人のロレーヌ・レヴィが監督と脚本を担当しています。騒々しいアメリカ映画を観た後だけに、なおさら心にしみたフランス映画です。第25回東京国際映画祭でグランプリと最優秀監督賞を受賞しています。

テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人のヨセフは、18歳になって兵役検査を受けます。そこであり得ない診断結果が明らかになります。18年前、湾岸戦争の混乱の中で病院の手違いによって別の赤ん坊と取り違えられていたのです。もう一人の子供はパレスチナ人のヤシンでした。

同じ国でも赤ん坊の取り違えは深刻な問題ですが、対立するイスラエルとパレスチナの子供の取り違えは、計り知れない衝撃です。その苦悩の中で、光を見いだしていく家族の姿が繊細に描かれていきます。固唾をのんで見続けました。

政治、宗教の壁を、偶然の手違いによって、乗り越えざるをえなくなった家族と青年。その姿は、やはり感動的です。「もうひとりの息子」という題名は、両親のたどり着いた思いですが、本人たちにとっては「もうひとりの自分」、自分という存在の相対化です。普遍的なテーマが描かれています。

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2014.02.19

「アメリカン・ハッスル」

デヴィッド・ラッセル監督の「アメリカン・ハッスル」は、1970年代後半のアメリカで起きた政治家などの収賄スキャンダル「アブスキャム事件」をもとにしたサスペンスドラマです。FBIが仕掛ける「おとり捜査」に協力させられる詐欺師たちの姿をコミカルに描いていきます。

冒頭、あのクリスチャン・ベイルがハゲ頭にカツラを着ける場面が延々と流れます。詐欺師アーヴィン役のクリスチャン・ベイルは、お腹もぶよぶよ。完全にイメージを壊しています。愛人のシドニーを演じるエイミー・アダムスも、大げさで、ねちっこい演技をみせます。アーヴィンの妻ロザリン役のジェニファー・ローレンスも、とんでもない演技を披露します。

カジノ利権に群がる政治家やマフィアを捕まえようとするFBIの物語のはずですが、どたばたコメディのノリで、ストーリーが転がっていきます。リアルさが乏しい俳優たちの誇張した演技合戦を見せつけられて、しらけ始めます。渋いロバート・デニーロが登場し、やっと映画が締まります。

FBIに無理矢理「おとり捜査」に協力させられるアーヴィンは、危機一髪で大どんでん返しを行うというラストだけは、見応えがありますが、全体に騒がしさがまさって好きになれませんでした。

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2014.02.18

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」。マーティン・スコセッシ監督は、71歳にして、ウンザリするほど馬鹿騒ぎに満ちた179分の作品を作りました。第86回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞など主要5部門にノミネートされています。

ジョーダン・ベルフォートの回想録を原作としたコメディタッチの伝記映画。レオナルド・ディカプリオがベルフォートを演じています。ベルフォートは、1980年代から90年代にかけて「ウォール街のウルフ」と呼ばれた実在の株式ブローカーです。26歳で証券会社を設立し、富裕層をターゲットに巧みな話術で年収49億円の富を築きました。

レオナルド・ディカプリオは、本当にたがが外れたような演技を見せます。そして「華麗なるギャツビー」に似た空虚感が漂います。ジョーダンの「金を稼ぎたい」という欲望には、なんの人生背景も描かれません。これこそが、現代を象徴しているようでした。

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は、予告編を観て、下品でアクの強い予告編だなあと思っていましたが、本編は会話も映像も予告編を遥かに上回る下品さでした。映画には感動しませんでしたが、スコセッシ監督の若さには感動しました。

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