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2014.01.24

「ルートヴィヒ」現実の戦争と理想の平和、芸術に悩み抜く姿

「ルートヴィヒ」は、「狂王」と呼ばれたルートヴィヒ2世の生涯の映画化です。ルキノ・ヴィスコンティ監督の傑作「ルードウィヒ/神々の黄昏」の後に、果敢な挑戦をするものだと思いましたが、リヒャルト・ワーグナー生誕200周年を記念して企画された作品です。ルートヴィヒとワーグナーのドラマだけでなく、現実の戦争と理想の平和、芸術に悩み抜く姿が描かれます。「ルードウィヒ/神々の黄昏」には及びませんが、いろいろと考えさせられる映画です。

15歳で歌劇『ローエングリン』を観たことでワーグナーを崇拝するようになったルートヴィヒは、芸術の世界に心酔して行きます。しかし、1864年、父王の急逝により18歳で王座に就きます。ワーグナーを宮廷に招き、「ワーグナーを聴けば敵は武器を捨てる」と信じて、国費をワーグナーにつぎこみます。戦争の時代に、武器よりも楽器を信じたルートヴィヒの悲劇が胸に迫ります。

大臣たちに押し切られてワーグナーを追放し、戦争に負けて多くの犠牲者を出した後、苦悶したルートヴィヒは芸術の世界へと逃避します。ワーグナーの世界を具現化したノイシュヴァンシュタイン城などを建設します。この夢のような城は、ルートヴィヒの死後すぐに一般公開され、多くの観光客を集めました。今でもドイツ最大の観光スポットになっています。

ルートヴィヒ2世を演じているのは1984年にルーマニアで生まれ、現在はドイツで活躍している、ソリストで舞台人であるザビン・タンブレア。映画ではまだ新人です。アーティストらしい、折れてしまいそうな精細さがあって、それなりに適役だと思いました。対するワーグナー役はエドガー・セルジュ。政治に口を出すワーグナーのこうかつさを見事に演じていました。

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