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2013.12.18

■「鑑定士と顔のない依頼人」予想を遥かに上回る本格的なミステリー

ジュゼッペ・トルナトーレ監督の新作「鑑定士と顔のない依頼人」は、予告編の出来がすばらしく、公開を待ちに待っていました。豪華な美術品の数々と、それを包み込む叙情あふれるエンニオ・モリコーネの音楽。ジェフリー・ラッシュの熱演。予想を遥かに上回る本格的なミステリーでした。イタリアのアカデミー賞と言われるダビッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞、監督賞、音楽賞をはじめ6部門を受賞しています。

ジェフリー・ラッシュが演じる鑑定士バージル・オドマンは、天才的な鑑識眼を持っています。早くに両親を亡くし、結婚せず、仕事関係以外では親しい者もいません。自分が仕切るオークションで、相棒ビリーによって格安で手に入れた膨大な女性肖像画だけに囲まれて孤独な生活を送っています。

膨大な女性肖像画が飾られた部屋は圧巻です。バージル・オドマンは、潔癖性の一流の美術鑑定士というだけでなく、自分の趣味のためにオークションで不正を働いているという点がポイントです。その相棒ビリーは、オドマンによって才能がないと決めつけられた元画家という点が、重要な伏線になっています。

彼の誕生日に若い女性・クレア・イベットソンから鑑定依頼の電話が入ります。しかし彼女は鑑定に立会わず、契約にも姿を現しません。広場恐怖症のため、隠し部屋の壁越しでの会話が続きます。オドマンは、姿を見せない彼女にひかれていきます。そして、その美しい姿を見て、初めて恋におちます。

天涯孤独だった初老の男が、不思議なきっかけで若く美しい広場恐怖症の女性と出会い、二人の新しい世界が広がっていきます。しかし、そんな甘いラブストーリーでは終わりません。まさに驚愕の展開が用意されています。オドマンに感情移入していると、立ち直れないほどの衝撃を受けます。

トルナトーレ監督は、「ニュー・シネマ・パラダイス」に代表されるような感動的なノスタルジーの監督であるとともに、「マレーナ」「題名のない子守唄」など、顔を背けたくなるような残酷な場面も描いてきました。真偽、美醜は表裏一体。今回も、かなりサディスティックです。底意地が悪いです。

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2013.12.10

「進撃の巨人」最新12巻限定版のオリジナルアニメーションDVD

コミック「進撃の巨人」最新12巻限定版のオリジナルアニメーションDVDは、「イルゼの手帳」をもとにした内容です。テレビ放送が終わって2か月あまり。テレビ放送版と遜色ない高いクオリティの作品を楽しみました。「進撃の巨人」の謎が深まります。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00FKP9DPS

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「進撃の巨人」12巻、本日9日発売!別マガにはドラマCDも

「進撃の巨人」12巻、本日発売!別マガにはドラマCDも
http://news.mynavi.jp/news/2013/12/09/253/index.html
http://www.amazon.co.jp/dp/B00FKP9DPS

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2013.12.09

■「シンポジウム - 札幌国際芸術祭が目指すもの」全記録

2013年11月4日に行われた「シンポジウム - 札幌国際芸術祭が目指すもの」全記録映像です。素晴らしい内容でした。まだ100人しか観ていないなんて、とても残念、もったいないです。
http://www.youtube.com/watch?v=5nb3CJwuhUg&feature=youtu.be

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2013.12.08

■映画「四十九日のレシピ」感動が押し寄せます

タナダユキ監督が伊吹有喜(いぶき・ゆき)の小説「四十九日のレシピ」を映画化しました。妻の乙美を突然亡くして生きる気力を失った良平のもとに、離婚を決意した娘の百合子が戻ってきます。このふたりの再生が、不思議なタッチで静かに繊細に描かれていきます。感動が押し寄せます。

四十九日までの家事を乙美から頼まれたという、ロリータファッションに身を包んだ良い少女イモが登場します。心に傷を持ちながらも元気に振る舞う少女は、乙美が残したレシピの存在を知らせます。厚化粧で最初は気づきませんが、二階堂ふみの芸達者ぶりが堪能できます。

良平役の石橋蓮司は、妻を失った深い悲しみに耐えながら娘を気遣う渋い演技を見せます。石橋蓮司は、いつも安定していますね。百合子役の永作博美は、相変わらず可愛くて、しかも得体のしれない存在感を放ちます。大竹しのぶの世界に近づいているのかもしれません。

良平の姉役として、子供のいない百合子に、ずけずけと本音をまくしたてる淡路恵子の貫禄はさすが。
いわゆる嫌われ役ですが、四十九日の大宴会ではクライマックスで美味しいところを持っていってしまう得な役でした。こういう俳優は貴重ですね。

安藤裕子が歌う「四十九日のレシピ」の主題歌「Aloha 'Oe アロハオエ」が、静かに心に溶けていきます。この映画には、不思議とハワイアンが似合います。フラ・ファン必見の作品でもあります。

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■「かぐや姫の物語」は素朴で原作通りに見えますが、恐ろしい野心作です

アニメ「かぐや姫の物語」は、童話の「かぐや姫」ではなく「竹取物語」を元にしています。「竹取物語」は「かぐや姫の物語」とも呼ばれていました。子供向けの作品ではありません。一見、素朴で原作通りに見えますが、さりげない改変が仕込まれた恐ろしい野心作だと思います。

アニメ「かぐや姫の物語」のキャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」ですが、この作品の魅力は謎解きではありません。アニメ表現の独特の空気を吸い、空気感に包まれる時間こそが、この作品の一番の魅力だと思います。「罪と罰」は分かりやすい客寄せのコピーです。

アニメ「かぐや姫の物語」は、二階堂和美の歌う「いのちの記憶」が主題歌です。この曲も良いのですが、作品の中で何度も歌われているわらべうたの「鳥 虫 けもの 草 木 花  春 夏 秋 冬 連れてこい」という歌詞がとても印象に残ります。作品のテーマとも深く関わります。

月の世界からかぐや姫を迎えに来る場面で流れる「天人の音楽」は、「わらべうた」とは対照的な美しさに満ちてます。「わらべうた」は身体にしみてきますが、「天人の音楽」には身体を空っぽにされます。底抜けに明るく同時に暗い音楽です。

高畑勲監督のアニメ「かぐや姫の物語」は制作に8年かかりました。独特な作画に時間がかかったのだと思います。宮崎駿監督は「かぐや姫の物語」を観た後、「この映画で泣くのは素人だ」と言ったそうです。しかし、かなり刺激を受けたようで、緻密な漫画を描いているそうです。

「竹取物語」は日本最古の物語ですが、良くいわれるように世界最古のSFではないです。ギリシャの方が古いです。日本のSFが評価されていなかった時代に注目されるためにPRされたとか。「竹取物語」は伝承の物語を巧みに使ってまとめた体制批判の作品です。

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