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2013.04.17

■「君と歩く世界」

犯罪に生きる男たちを描くオーディアール監督が、困難に立ち向い、それを乗り越えるラブストーリーを生み出しました。題名のイメージとは真逆の独創的な作品でした。原題は「錆びと骨」。パンチを受けて歯で唇が切れた時の血の味を表しています。暴力的な恋愛映画にぴったりの題です。

ステファニーはシャチの調教師。ショーで起きた事故によって彼女は両足を切断されてしまいます。元ボクサーのアリは粗野で野性的な男性ですが、心に深い傷を負ったステファニーを救おうとします。事故がなければ付き合うことがなかった異質な二人の関係が、骨太な表現で描かれていきます。

マリオン・コティヤールがステファニーの絶望と復活を生々しく演じます。挑戦的な役者魂が伝わってきます。アリ役のマティアス・スーナールツも好演しています。コティヤールの両足を消し去る最新のCG技術によって、これまでにない大胆な映像表現が可能になった点も大きいです。

ごつごつした感触の作品ですが、フランスのコート・ダジュールの光り輝く海が印象的です。シャチのショーなどの映像の美しさも忘れられません。逆境にある男女の魂のドラマを、ときに激しい、ときに繊細に描く、新しい質感のラブストーリー。ある意味で画期的な映画です。

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