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2013.04.26

■「舟を編む」


29歳の石井裕也監督が、2012年本屋大賞で第1位を獲得した三浦しをんの小説「舟を編む」を映画化しました。15年掛けて新しい辞書づくりに取り組む辞書編集部の人々の姿を描いています。あえて35ミリフィルムを使用し、古いアパートのたたずまいなどで、味わいのある映像が広がります。
 
 主人公の名前が「馬締(まじめ)」、つくる辞書の名前が「大渡海(だいとかい)」と、ギャグタッチの展開かと思いましたが、コミカルな場面はあるものの、辞書づくりの大変さ、辞書編集に人生をかける人たちの熱い思いが伝わってきます。しっとりとした感動のドラマです。

 効率性とスピードが優先される現代。その中で、じっくりと言葉を選び、丁寧に意味を説明するという辞書編集の仕事は、新鮮な驚きに満ちています。馬締役の松田龍平、ヒロイン香具矢役の宮崎あおいが、昭和な香りを漂わせます。先輩役のオダギリジョーも良い味を出しています。

 映画の中で、意味が変わった言葉として「憮然」「やばい」が登場します。私は京都と東京で意味が反対になる「ほっこり」を思いました。味わい表現の「まったり」が時間の過ごし方に広がったのも、語感の影響でしょう。時の流れや地域性、世代で変化していく言葉の豊かさをかみしめました。

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