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2013.03.17

■「愛、アムール」


ミヒャエル・ハネケ監督が、「白いリボン」(2009年)に続き2作品連続でカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞し、第85回アカデミー賞では外国語映画賞も受賞した作品「愛、アムール」。妻が突然病に倒れ、穏やかだった日常が変化していく老夫婦をリアルに描きます。

音楽家夫婦のジョルジュとアンヌは、パリの高級アパートで老後生活を送っていました。妻のアンヌが病気となり手術にも失敗、体が不自由になり認知症も進んで行きます。ジョルジュは、病院嫌いな妻の願いを聞いて、車椅子生活になったアンヌを支えながら自宅で暮らすことを決意します。

アンヌの病状が悪化していくなかで、ジョルジュの愛が試されます。ハネケ監督は「病気とか、死とかを描いた作品ではなく、これは愛について語られた映画なのです」と説明していますが、観ていると、自宅介護の問題が切実に迫ってきます。その難しさが浮き彫りになります。

ハネケ監督は、隙のない脚本と見事な場面構成で、極めて完成度の高い作品を生み出しました。息苦しいほどに、無駄のない展開です。そして、いたたまれないラスト。映画的な完成度は認めますが、この映画の結末を受け入れることは、私には困難です。

妻役のエマニュエル・リヴァの演技がすごいです。エマニュエル・リヴァは、1959年に出演したアラン・レネ監督の「二十四時間の情事」が有名。「トリコロール/青の愛」にも出演していますが、俳優としては長いブランクがあった人です。今回はオーディションで選ばれました。2013年の第85回米国アカデミー賞主演女優賞に、アカデミー主演女優賞における史上最年長(85歳)でノミネートされました。

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