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2013.03.28

さっぽろ自由学校・遊で、2013年度前期に私が担当する講座です

さっぽろ自由学校・遊で、2013年度前期に私が担当する講座です。
https://dl.dropbox.com/u/70212557/yu2013tawaraya.pdf

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2013.03.27

■さっぽろ自由学校・遊の2013年度前期講座のパンフができました

さっぽろ自由学校・遊の2013年度前期講座のパンフができました。多彩な講座がそろっています。
https://dl.dropbox.com/u/70212557/yu2013zenki_kouza.pdf
http://sapporoyu.org/

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2013.03.21

■「草原の椅子」

成島出監督の「草原の椅子」は、宮本輝の小説を映画化。日本の現代人の生き方に迫りながら、それぞれのトラウマを人間を超えた広い世界に解放します。「世界最後の桃源郷」と呼ばれるパキスタンのフンザで世界初の映画ロケを行いました。

宮本輝は、阪神大震災で被災したことをきっかけに、シルクロード6700キロ、40日間に及ぶ旅を経験して小説化しました。映画化にあたって舞台設定を東日本大震災後の東京に変更しましたが、インターネット普及前と普及後の大きな違いがあり、全体的に違和感を覚えました。

日本の生きがたさは伝わってくるものの、トラウマでつながる人間関係は、息苦しい感じがします。「八日目の蝉」に続き、小池栄子 の存在感が圧倒的です。狂気さえ漂う、ぶっ飛んだ演技に圧倒されました。ほかの出演者たちの名演技がかすみました。

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2013.03.20

■「アルゴ」

「アルゴ」は、ベン・アフレック監督・主演による1979年のイランアメリカ大使館人質事件を題材とした作品。第85回アカデミー賞の作品賞を受賞しました。確かに、面白く痛快な展開ですが、登場人物が描けていません。政治的な奥行きも、映画的な深さも感じられません。

テヘランのアメリカ大使館がを占拠され、多くのアメリカ人外交官が人質になります。しかし6人のアメリカ人外交官は大使館から脱出し、カナダ大使公邸にかくまわれます。CIAのトニー・メンデスは6人をイランから救出するため、「アルゴ」という架空のSF映画をでっち上げます。

荒唐無稽に思える外交官救出作戦が、実話に基づくという点では、隠されていた驚きの歴史を浮き彫りにしたといえますが、SF映画の監督たちが人間味にあわれている半面、外交官たちの複雑な思いが伝わり切れていないと思います。CIA万歳映画と言われてしまいかねません。

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■「シュガーマン 奇跡に愛された男」

「シュガーマン 奇跡に愛された男」。2012年のスウェーデン・イギリスのドキュメンタリー映画です。マリク・ベンジェルール監督はスウェーデンの国営テレビの仕事を辞めた後、題材探しのため自費で16カ国を旅し、訪れた南アフリカでこの驚くべき事実に偶然出会います。

監督は、それからずっと制作を続けましたが、出資協力をしてもらえる人が見つからず、撮影はすべて自己負担で行ったと言います。資金が尽き、残りの撮影をiPhoneアプリで乗りきり作品を完成させました。そして、第85回アカデミー最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。

1970年、ロドリゲスはアルバム「Cold Fact」でアメリカ・デビューしますが全く売れずに引退します。しかし、70年代にアルバムは南アフリカにわたり、体制を変えようとする若者たちに熱烈に支持されて革命のシンボルとなります。しかしそのことはロドリゲスには知らされませんでした。

南アフリカでは、20年に渡って幅広い世代に支持され続け100万枚が売れたと言います。ローリング・ストーンズやボブ・ディランより有名です。しかしロドリゲスの行方は不明で、ステージで自殺した、刑務所で死んだなどの伝説が流れていました。

南アフリカの熱狂的ファンがロドリゲスの運命を探る調査を始め、インターネットでロドリゲスの情報提供を呼びかけました。すると、ロドリゲスの娘から書き込みがあり、彼が健在であることが分かります。そして、ロドリゲスの南アフリカ・ライブコンサートが実現します。

ロドリゲスは、建築作業員として収入を得ながら、社会活動を続け質素に生活していました。娘さんたちのしっかりした話し振りを聞くと、子供の教育にも熱心だったことが分かります。社会的なメッセージを込めて歌っていた姿勢が、そのまま貫かれていたことに驚きます。

南アフリカ・ライブコンサートの様子を伝えるために、ロドリゲスの友人や娘の撮影した映像が使われています。当時の熱狂的な雰囲気が伝わってきます。その中で、冷静に穏やかに振る舞うロドリゲスの姿が感動的です。かれは、今も質素に堅実に生活しています。

驚くべき事実に圧倒されました。ドキュメンタリーでは印税の行方も追究されますが、お金に執着しないロドリゲスの生き様を見ていると、その問題も小さく見えます。これは奇跡の復活のドラマではなく、アーティストの生き方を示した奇跡のドキュメンタリーです。

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■「メリダとおそろしの森」


アニメ「メリダとおそろしの森」は、10世紀頃のスコットランドが舞台。これまでのピクサー作品よりも深刻で大人向けの作品に見えますが、その割にはストーリーが単純でひねりがありません。たくさんの伏線をしのばせて、楽しい驚きを演出してきたピクサーらしい脚本の妙が感じられませんでした。

それでも、第85回アカデミー賞では長編アニメ映画賞を受賞しました。ストーリーはともかく、映像面の水準の高さは否定できません。巧みに変化するカメラアングルがスリリングです。苦労したというメリダの「ちりふわ髪」の質感も魅力的です。フルCGもここまで来たかと感慨に浸りました。

ジョブズ氏が創設したピクサーは、1995年に史上初の長編CGアニメ「トイ・ストーリー」を完成。この作品は、ジョブズ氏が死去後最初のピクサー作品です。エンドクレジットに「パートナー、恩師、友人であるスティーブ・ジョブズに捧ぐ」という献辞が用意され、文字の周りを鬼火が舞います。

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2013.03.17

■「愛、アムール」


ミヒャエル・ハネケ監督が、「白いリボン」(2009年)に続き2作品連続でカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞し、第85回アカデミー賞では外国語映画賞も受賞した作品「愛、アムール」。妻が突然病に倒れ、穏やかだった日常が変化していく老夫婦をリアルに描きます。

音楽家夫婦のジョルジュとアンヌは、パリの高級アパートで老後生活を送っていました。妻のアンヌが病気となり手術にも失敗、体が不自由になり認知症も進んで行きます。ジョルジュは、病院嫌いな妻の願いを聞いて、車椅子生活になったアンヌを支えながら自宅で暮らすことを決意します。

アンヌの病状が悪化していくなかで、ジョルジュの愛が試されます。ハネケ監督は「病気とか、死とかを描いた作品ではなく、これは愛について語られた映画なのです」と説明していますが、観ていると、自宅介護の問題が切実に迫ってきます。その難しさが浮き彫りになります。

ハネケ監督は、隙のない脚本と見事な場面構成で、極めて完成度の高い作品を生み出しました。息苦しいほどに、無駄のない展開です。そして、いたたまれないラスト。映画的な完成度は認めますが、この映画の結末を受け入れることは、私には困難です。

妻役のエマニュエル・リヴァの演技がすごいです。エマニュエル・リヴァは、1959年に出演したアラン・レネ監督の「二十四時間の情事」が有名。「トリコロール/青の愛」にも出演していますが、俳優としては長いブランクがあった人です。今回はオーディションで選ばれました。2013年の第85回米国アカデミー賞主演女優賞に、アカデミー主演女優賞における史上最年長(85歳)でノミネートされました。

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2013.03.16

■「クラウド・アトラス」は、あらゆる映画的なジャンルを横断する不思議な作品

「クラウド・アトラス」は、過去、現在、未来、500年の時を自由に横断する3時間を超える大作です。いかにも、現代的な題名ですが、原作者のデイヴィッド・ミッチェルは、作曲家・一柳慧(いちやなぎ・とし)のピアノ曲「雲の表情(Cloud Atlas)」(1985年)から小説の題名をつけました。意外ですね。

同じ作品で複数の役を演じるという点では、「ナッティ・プロフェッサー」で1人7役を演じたエディ・マーフィには及ばないものの、トム・ハンクスが6役を演じています。すごいのは、主な俳優たちが、皆たくさんの役をこなしている点です。驚きです。

ただ複数の役を演じているのではありません。特殊メイクによって、年齢、人種、性別さえ超えて演じているのです。エンドロールの最初に、オールスターが演じた役が画像とともに紹介されます。全く気がつかなかった役、続出です。「え!」と、びっくりしますよ。

主人公のトム・ハンクスが演じた6役は、役柄は多彩ながら、一目でトム・ハンクスと分かります。違う時代の違う人物を演じながらも、かすかに雰囲気を残しているあたりは、相変わらず、うまいです。さまざまな悪役を演じたヒュー・グラントも名演でした。

ヒューゴ・ウィービングの大胆な変身ぶりも、楽しめますが、中でも女看護師には笑いました。ハル・ベリーも、ジャーナリストなど、さまざまな役を演じましたが、エンドロールの種明かしで一番驚かされたのが彼女でした。全く意外な役を演じていました。

映画「クラウド・アトラス」は、6つの時代を描いています。ラナ・ウォシャウスキーとアンディ・ウォシャウスキーが1849年のユーイングの航海、2144年のソンミの反乱、24世紀のザックリーを、トム・ティクバ監督が残りの3つの時代を担当しました。面白い組み合わせです。

1936年、フロビシャーはエアズの採譜者を務めながら、名曲「クラウド アトラス六重奏」を作曲します。この曲は、トム・ティクバ監督が自ら作曲したものです。非常に美しい旋律が印象的ですが、控えめに使われています。もっと前面に押し出しても良かったと思う名曲です。

時代が交錯するので最初は少し戸惑いますが、場面転換が巧みで、やがて苦にならなくなります。複雑なストーリーながら、飽きさせません。分かりやすい映画的な感動を与えるタイプの作品ではありませんが、すごい作品を体験したという感慨に浸ることができます。

「マトリックス」後、ラリー・ウォシャウスキー監督は、性転換し女性のラナ・ウォシャウスキーになりました。「クラウド・アトラス」は、俳優たちも人種や性別を自在に超えて演じています。そして、あらゆる映画的なジャンルを横断する不思議な作品に仕上がっています。歴史に残る試みです。

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