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2012.10.08

■映画上映会「3.11がもたらしたもの」

さっぽろ自由学校「遊」で開かれた映画上映会「3.11がもたらしたもの」で2つのドキュメントリー作品を観ることができました。両作品は、東京都民と被災者という対照的な立場から原発問題をとらえています。両方の作品を観ることで、いろいろな思いが交差しました。複雑で難しい問題を抱えつつ、原発ゼロに向けて、どう絆を深めていくべきか、考えさせられました。

■「64歳のデモデビュー~3.11が私を変えた~」(松原明監督、2012年・31分)。
女性の生き方がテーマのノンフィクション作家・松原惇子さんが、福島原発事故を契機に、日本の現状を変えたいと思い始めます。64歳まで一度もデモをしたことがなかった松原さんは、公安警察が撮影していることに恐怖しながらも、デモに参加します。多くの人たちと交流します。
 ブログに原発批判を書くと仕事がこなくなったという危機を乗り越え、脱原発運動に踏み出していく姿が、すがすがしく記録されています。弟の松原明さんによって撮られた点が重要です。松原惇子さんは「知らないうちに撮られて作られてしまった」「知らないうちに撮れているので、スッピンでひどい顔をしている」とブログに書いていますが、本当に「素顔」で話しています。こういう記録は、貴重です。
 松原惇子さんは作家ですが、ドキュメンタリーの中でのトークのうまさには驚きました。この作品とともに、脱原発トークショーを続けてほしいと思います。

■「原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録~」(堀切さとみ監督、2012年・40分) 
  福島原発で故郷を追われた双葉町の人々の姿をとらえています。とにかく、一人一人の言葉を大切にしています。原発によって、何が起こったのか。観ていて、辛く、やりきれない気持ちになりますが、この現実から出発するしかないのだと思います。
 堀切さとみさんは、撮影を仕事にしているわけではありません。給食調理の仕事をしています。堀切さんは双葉の被災者が、さいたまスーパーアリーナに集団避難したときに炊き出しを手伝いました。そして、「どうせ俺たちは世間から忘れられる」という被災者の言葉を聞いて、避難先の埼玉県加須市についていきます。最初は、撮影せずにひたすら話を聞き続けたそうです。被災者の理解を得て撮影した記録を井戸川町長に見せ、町長のインタビューも実現しました。今も、撮影を続けているようです。

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