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2012.05.05

■「KOTOKO」塚本監督とCoccoの深い共振が映像に焼き付いています

シアターキノで塚本晋也監督の新作映画「KOTOKO」を、5日公開初日に観てきました。久しぶりの塚本映画のインパクトに打ちのめされました。しかし、主演Cocooとのコラボレーションによって、これまでの塚本作品とは全く異質なの世界が開かれていました。それでも塚本ワールドですが。

シングルマザーの琴子が息子への過剰な愛情によって、強迫的な観念にとらわれ、幻覚に悩まされる姿を通して、母性の危うさと強さを描きます。暴力的ですが、コミカルな場面もあります。尖った表現と柔らかな美術が絶妙なバランスを保っています。

2011年・第68回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリを受賞しています。主演のCoccoが、原案、音楽、美術も務めています。彼女の個性が塚本映画の枠を押し拡げました。震えるような大胆で繊細な作品です。

7年間介護した母を亡くした塚本監督は、母としてのCoccoと出会い、彼女の内面に迫る脚本づくりをします。「今までは自分の頭の中の葛藤を描いたが、重要な人の発想を入れることで葛藤の振れ幅が大きくなり、そこに答えを見つけていくことに、ダイナミズムを感じた」。それが生々しい表現となっています。

塚本監督は「ずっとCoccoさん主演で映画を作りたかった。長年の夢が実現して良かった。天才。やっぱりそうだと思っていた。女優として素晴らしい」と絶賛していました。監督とCoccoの深く強い共振ぶりが映像に焼き付いています。なかなか味わえない体験です。

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