« ★2012年2月映画評シネマキックス版 | トップページ | 私が担当する公開講座「ソーシャルメディアを市民の力に」開催が、21日に迫りました »

2012.03.18

映画「灼熱の魂」を観ました、言葉を失いました

映画「灼熱の魂」を観ました。
中東からカナダ・ケベック州に亡命していたナワルは、プールサイドで意識もうろうとなり死んでしまいます。公証人に呼ばれた双子の姉弟は、死んだとされていた父と、存在すら知らなかった兄に、それぞれ手紙を届けてほしいという内容の遺書を渡されます。ミステリーの始まりです。

姉娘は手がかりを求め中東へ。母ナワルの激烈な過去を知ることになります。異教徒の男を愛して子を孕み、男を殺されて村から追放されます。息子を殺されたと思いテロに身を投じて監獄に入り、15年間拷問を受け続け、レイプされて子供を産んでいたのです。

原題「Incendies」は、戦乱、激情の意味。「灼熱の魂」という邦題は、見終わると納得できます。燃え尽きた魂でもあります。凄まじい戦乱を激情を持って生き抜いた人間の凄みがあります。

「灼熱の魂」の原作は、2009年にはアカデミー・フランセーズ演劇大賞を受賞したワジディ・ムアワッドの同名戯曲です。四部作「約束の血」の第二部にあたります。ムアワッドはベイルート生まれで、8才でレバノン内戦を逃れフランスに亡命、カナダに移住しました。

脚本の完成度は、比類がありません。究極の悲劇でありながら、究極の救いでもある結末。ギリシャ悲劇に匹敵する、驚くべき真相が明らかになります。言葉を失う衝撃とは、この映画のためにある表現です。

「『灼熱の魂』は予備知識なしで観るのが一番だ。そして一度観たら決して忘れることはないだろう」(ローリング・ストーンズ誌)という感想が、一番ぴったりとくる作品です。ぜひ、この映画を体験してください。

|

« ★2012年2月映画評シネマキックス版 | トップページ | 私が担当する公開講座「ソーシャルメディアを市民の力に」開催が、21日に迫りました »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/1152/54246349

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「灼熱の魂」を観ました、言葉を失いました:

« ★2012年2月映画評シネマキックス版 | トップページ | 私が担当する公開講座「ソーシャルメディアを市民の力に」開催が、21日に迫りました »