« 2011年10月映画評シネマキックス版 | トップページ | ■クラークシアター2011報告 »

2011.11.19

園子温監督の「恋の罪」は壮絶な女性映画です

 園子温監督の新作「恋の罪」は、1990年代、東京都渋谷区円山町ラブホテル街で起きた殺人事件からインスパイアされて監督が脚本を手掛けた作品。殺人課の女刑事、大学の助教授、人気小説家の妻の生き様が交錯します。
 冒頭のショッキングな場面にはたじろぎましたが、前作「冷たい熱帯魚」ほどのグロテスクさ衝はありません。そして、ラストにはユーモアさえ漂います。
 壮絶な女性映画です。普通なら水野美紀の熱演が高く評価されるでしょうが、冨樫真の怪演の前ではかすんでしまいました。そして神楽坂恵はあまりにも素晴らしくて園子温監督と婚約してしまいました。3人のほかに大方斐紗子の貫禄の演技にも驚かされます。
 女性の苛烈な欲望を描いていますが、カフカの「城」が象徴的に使われ、詩人・田村隆一の「帰途」が繰り返し引用されます。そして、マーラーの交響曲第5番が映像を荘厳に染め上げます。女性たちの屈折、トラウマをテーマにしているので、ベルイマンの作品を思い出しました。
 今年「冷たい熱帯魚」「恋の罪」が公開。来年1月には次回作「ヒミズ」が公開されます。なんというハイペースでしょう。

|

« 2011年10月映画評シネマキックス版 | トップページ | ■クラークシアター2011報告 »

コメント

None can doubt the veracity of this artilce.

投稿: Roberta | 2011.12.08 22:25

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/1152/53285060

この記事へのトラックバック一覧です: 園子温監督の「恋の罪」は壮絶な女性映画です:

« 2011年10月映画評シネマキックス版 | トップページ | ■クラークシアター2011報告 »