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2011.07.14

■「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路」

映画「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路」を観ました。。ナンネルは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの実姉マリア・アンナ・モーツァルトの愛称。彼女も、すばらしい才能を持っていましたが、女性であったためアマデウスの脇役にされました。作曲もしていましたが、楽譜は残っていません。

ルネ・フェレ監督は、大胆にも娘のマリー・フェレをナンネル役に起用、マリーの実の妹リザが親友ルイーズを演じています。監督・脚本・製作はルネ・フェレ、製作・編集は妻のファビエンヌ、助監督は息子のジュリアン。監督は「独立配給を目指せば、必然的に家族経営的になってしまう」と話しています。

家族経営的な製作ながら、「ナンネル・モーツァルト」は、実際に絢爛豪華なヴェルサイユ宮殿を使ってロケを行っています。本物の迫力は、やはり違います。18世紀の宮廷の雰囲気が、自然に広がっていきます。当時の衣装も、見事に再現されていました。大作に負けない出来です。

10歳のヴォルフガングを演じたダヴィッド・モローは、パリの国立地方音楽学院に在籍するバイオリニスト。テクニックを惜しみなく披露しています。普通は、いたずら好きの子どもですが、演奏し始めると、その才能が爆発します。この辺のキャスティングも評価したいです。

ナンネルは、自分の作曲した楽譜を焼却処分してしまいました。映画では、当時の様式、残された記録などを手がかりにオリジナル曲が作曲。音楽を担当したのは、マリー=ジャンヌ・セレロという女性作曲家です。ヴァイオリンコンチェルトなどが流れます。実に、見事な仕事です。

モーツァルトの姉ナンネルを描くという斬新なアイデアは評価したいです。しかし、資料が少なかったので、架空の物語を加え、言葉で説明しなければならない場面が多かったのが残念でした。傑作ではありませんし、うまい作品でもありませんが、私にとっては、とても嬉しい作品です。

天才モーツアルトでさえ、一時忘れられた存在だったことを思い出しました。ケッヘルがモーツアルトの作品目録をつくらなければ、モーツアルトはこれほど知られなかったでしょう。埋もれた、今も埋もれている才能について考えさせられます。

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