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2010.01.17

■「キャピタリズム〜マネーは踊る〜」マイケル・ムーア監督の限界

Capitalism20100117
 映画は、住宅ローンが払えなくなって家を強制退去させられる人々を映し出す。そして、アメリカの歪んだ社会の実態が次々に暴露される。有名な大企業が従業員に無断で生命保険をかけ、受取人になっている、乗客の安全を預かっている飛行機パイロットの賃金が極端に低くバイトをしないと生活できない、という衝撃の事実が明らかになる。
 マイケル・ムーア監督は、資本主義そのものを批判し、アメリカ建国の精神やキリスト教の教え、そして民主主義を対置する。この辺の飛躍は、ちょっと素朴すぎ、乱暴すぎると思う。アメリカの観客に分かりやすく、説明しようとしているのだろうが、かえって説得力を欠いている。
 市民に金を返せと袋を持ってウォール街に押し掛けるマイケル・ムーアのパフォーマンスも、どこか白々しい。さまざまな社会問題をユーモアを交えながら分かりやすく解き明かし批判するマイケル・ムーアの映画は、その分かりやすさ故に、娯楽作品として消費されているのではないか。だとしたら、社会を変えていく力を、失わせているのかもしれない。マイケル・ムーアが「行動を」と、呼びかけているとしても。

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受信: 2010.01.22 13:52

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