■免疫抑制剤に長寿効果、高齢マウスへの投与で確認
人間なら60歳に相当する生後約1年8カ月のマウスに、臓器移植時の免疫抑制剤として使われる「ラパマイシン」を継続的に餌に混ぜて与えたところ、通常に比べ、雌は14%(5カ月)、雄は9%(3カ月弱)も長生きした。米テキサス大などの研究チームが9日、実験成果を英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
ラパマイシンは、細胞の分裂・成長や老化などに関与する酵素「TORキナーゼ」の働きを阻害する。この酵素を阻害すると寿命が延びることは、酵母、線虫、ショウジョウバエで知られていたが、人間と同じ哺乳(ほにゅう)類のマウスで確認されたのは初めて。
マウスでは、遺伝子操作を除けば、餌の量を厳しく制限することでも寿命が延びるが、高齢からの薬の投与で、これほど大幅な延命効果があったのは予想外という。
英米の専門家らは、健康な人がラパマイシンを使うと、免疫機能が抑制されて感染症にかかる危険があると警告する。しかし、TORキナーゼの作用メカニズムが詳しく解明されれば、人類の古来からの夢だった不老長寿薬の実現が近付くかもしれないと期待される。 研究チームは、ラパマイシンが胃を通過して腸から血中に取り込まれやすいよう、カプセルに入れて餌に混ぜた。3カ所の施設で実験した結果、全体の9割が死ぬ時期が、雌では通常の平均3年から3年5カ月へ、雄では3年弱から3年3カ月弱へ延びた。
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