1月31日から2月6日まで行われたキューバ映画祭in サッポロ2009は、冬の札幌で熱いキューバの映画を、映画館を会場にして上映するという本当に思い切った企画だったと思う。それだけに、1275人の来場者という記録は、すばらしい。
1月31日の「わが身を吹き抜けたキューバ革命」講演会で、「コロンブスからカストロまで」という時間軸でキューバ革命の意味を再考した太田昌国(おおた・まさくに)さんも、地方都市で映画祭を企画することの大変さを強調していた。関係者のご苦労をねぎらいたい。
1月31日の最初のプログラムは、東京国立近代美術館フィルムセンターが所蔵している札幌初公開の短編3作品。
「はじめて映画を見た日」(監督:オクタビオ・コルタサル、1967年、10分)は、シエラ・マエストラ地方の 小さな山村を訪問した巡回映写班の活動を追ったドキュメンタリー作品。まず、映画を見たことのない人たちに映画のイメージを聞いたインタビューが面白い。どんな映画を上映しているのかと思ったら、なんとチャップリンの映画。目を輝かせて見つめ、やがてあくびをし始める子供たちの表情をとらえている。そのリアルさ。そして、映画というものの意味を考えさせられる不思議な作品だった。
「われらの土地」(監督:トマス・グティエレス・アレア、1959年、19分)は、革命の後に最初に作られた記録映画。大土地所有制のもとで、農民は劣悪な生活を強いられ、豊かな実りを産む土地は無駄に放置されていた。農 民たちの不満と怒りは、やがて革命へ結びついていく。まさしく、プロパガンダ映画だが、明確な主張と的確な編集力が光っていた。
「エル・メガノ」(監督:フリオ・ガルシア・エスピノーサ、トマス・グティエレス・アレア、1955年、25分)は、革命前の貴重な作品。沼地で働く労働者の悲惨な日常生活を捉えている。バチスタ政権から 「共産主義的だから」「貧困を撮ったから」という理由で上映を禁止されたセミ・ドキュメントだ。
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