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2008.05.10

■実写版「ひぐらしのなく頃に」は予想通りの雛見沢大災害

 監督は「富江」の及川中(おいかわ・あたる)。「鬼隠し編」に「綿流し編」で、少し味付けした程度。ほんの少し新しいアイデアを盛り込んでいるが、基本的に「鬼隠し編」に沿って進む。オープニングタイトルが、この作品の雰囲気を漂わせ、一気に世界に引き込む。そして、転校生の前原圭一が初めて教室に入る前の階段のシーンは、オリジナルで、スローモーションの何でもないシーンが、不安をあおった。期待できるかもと、一瞬思ったが、奇跡は起こらなかった。プロローグで終わってしまった感じだ。実写映画化に強く反対していたファンの予想は当たってしまった。まさに雛見沢大災害。
 原作の一番の魅力は、仲の良かった仲間たちが、突然ののしり合い、殺し合うところにある。しかし園崎魅音と竜宮レナが豹変する場面は、全然怖くないのだ。ナタの登場シーンも活きていない。ただ実写で、あの豹変を演技できる人は、そうはいない。「エコエコアザラク」時代の菅野美穂くらいか。アニメを知っていると、キャスティングがあまりにも疑問だが、とりわけ竜宮レナに松山愛里は、ないだろう。古手梨花役のあいかだけは、凛とした巫女の儀式が、さまになっていた。
 原作は、とても長い。昭和50年代の架空の村落・雛見沢村を舞台に、謎の連続怪死事件にまきこまれた少年少女たちの物語。登場人物一人一人の過去、村の因習やダム建設をめぐる村人内の争いなど、物語は複雑に入り組んでいる。さらに謎に満ちた秘密機関が暗躍している。このストーリーの独特な面白さを2時間に凝縮することは、不可能だ。及川中監督自身「本作はこれから始まる壮大な物語の始まり。今後の伏線が散りばめられた作りになっている」と語っている。それならば、最初から4部作、8部作として企画すべきだったと思う。続編が企画されているようだが、実写化の意義が見いだせない。

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