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2004.06.03

■「阿弥陀堂だより」の罠!

 長い間気になっていた「阿弥陀堂だより」(小泉堯史監督)をレンタルDVDで観た。東京で疲れ切った夫婦が信州の山村に移り住み、美しい自然と人々との交流の中で生きる喜びを取り戻すという絵に書いたような癒しのストーリー。最初は、奥信濃の四季の美しさを眺めつつ、距離を置いて観ていた。
 しかし、91歳の北林谷栄が演じる阿弥陀堂で暮らす老婆のひょうひょうとした簡素な生き方に惹かれ、小西真奈美演じる難病を抱える少女や田村高廣演じる末期癌の老人が登場して、人間の生死と荘厳な自然美がシンクロし始める。もはや失われた生活スタイルへのノスタルジアがわき起こる。それは、圧倒的な魅力を持って、確かな生き方が見えない私に迫る。だが、かつての村落が過酷さと陰湿さを抱えていた事実も忘れてはならない。あそこにはもはや帰れない。ましてや、原日本回帰などは危険な罠にほかならない。
 「阿弥陀堂だより」の持つ魅力と危うさに揺れながら、私は涙を流し続けた。距離をおいて、良質のファンタジーとして味わうのが良いだろう。北林谷栄の演技、いや振る舞いすべてが素晴らしい。

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&『博士の愛した数式』(2006/小泉堯史〔こいずみたかし〕)鑑賞プチ・メモ こんばんは、ダーリン/Oh-Wellです。 いやはや、僕に取っては、何か妙に長く感じるこの一週間でした。 この週の始め(1/23・月)には、ある集まりが有ったのですが、これは、おそらく、今年最後となる(^^)新年会でもありました。 如何せん、月曜日ですから集まったのは10人ほど、 いつもに比べれば少人数なのですが、いよいよ実感を増しつつある「ストーンズ来日公演」の情報交換などのお喋りを中心に、週の初っ... [続きを読む]

受信: 2006.01.31 22:30

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