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2003.12.30

■桐野夏生の「光源」

 桐野夏生の「光源」は、殺人が起こらない緊迫のサスペンス小説だ。「ポートレート24」という映画作品が、できるかどうか、ハラハラしながら読み続けた。映画プロデューサー・玉置優子、ベテラン撮影監督の有村、新人監督・三蔵、有名俳優高見とアイドルくずれの女優佐和。小説は、それぞれの視点から描かれていく。粘ついた欲望と人間関係。それぞれの傷と夢。さまざまな「光源」が、思わぬ事実を浮かび上がらせる。
 単行本の帯には「これまで誰も読んだことのない小説」と書かれていた。桐野夏生の最近の作品は、みなそうだ。きりっとした芯を持ちながら、通常の小説を内側から食い破って増殖していく。しかし簡潔で巧みな表現、的確な構成力が破綻を魅力へと変えている。
桐野夏生はインタビューに、こう答えている。「ジャンルもわからないし、的確な帯のコピーさえも書けない変な小説。不思議な仕事をした」

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