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2003.12.31

■中田鉄治氏の閉会宣言

 2003年も多くの映画関係者が亡くなった。1月12日、深作欣ニ監督が72歳で死去。製作中だった「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」は、深作健太監督が完成させた。スタン・ブラッケージは、ベッドの上で最後まで作品をつくり続け、3月9日に70歳の生涯を閉じた。死の前日に「I've had a wonderful life. Life is great.」と言い残して。レニ・リーフェンシュタール、48年ぶりの新作「ワンダー・アンダー・ウォーター 原色の海」を完成し、9月8日に101歳で亡くなった。
 私にとって、最もショックだったのは、9月10日の中田鉄治前夕張市長の訃報だった。夕張市長を6期24年を勤め、今年4月に勇退したばかり。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の生みの親であり、中田さんがいなければ、映画祭は誕生しなかった。持続できなかったと思う。「あんな田舎で国際的な映画祭が続けられるわけがない」という批判を見事にはねかえし、市民とともに、映画を愛する世界中の人たちとともに、人々の温もりに満ちた映画祭を続けてきた。ことし2月の映画祭でも、「映画祭は21世紀、あと100年続ける」と元気に閉会宣言していたのに...。

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■「飛ぶ教室」に大満足!

 エーリヒ・ケストナー原作の「飛ぶ教室」を観た。予想をはるかに上回る感動に包まれた。この作品とともに年越しができて幸せな気持ちだ。
 物語の舞台は、旧東ドイツのライプツィヒ。70年前に書かれた原作を現代に置き換えて、場所に大きな意味を持たせた。主人公たちが合唱団のメンバーという設定も、ラストのミュージカル劇へとスムーズに結びついている。大人と子供の信頼関係、友情といったテーマを生かしながら、なんと巧みな改変だろうか。
 子ども向けの作品なのだろうが、大人も引き込まれるきめ細やかな仕上がり。大人たちも子どもたちも、個性的で好感が持てる。友情の大切さというメッセージは、ストレートに届いた。理想論だという意見もあるだろうが、私はさわやかな希望を受け取った。そしてクライマックスの劇では、映画的な魔術にも出会えた。大満足している。

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■国別ドメインの利用法

 地域FM局さっぽろ村ラジオ(札幌市東区北12条東13丁目2-28、NPO法人さっぽろ村コミュニティ工房内)のホームページアドレスは、http://www.sapporomura.fm。「fm」というのは、ミクロネシアを示すドメイン。面白い国別ドメインの利用法だ。地域FM局で「fm」を使っているのは珍しい。テレビ局も、オセアニア・ツバルのドメイン「tv」をあまり使わない。
 国を示すドメインは、合計243ある。オーストラリアの「au」、中央アメリカ・バルバドスの「bb」、ココス諸島の「cc」は、商品名に使える。コマーシャルなら、ずばりカメルーンの「cm」。 オーストリアの「at」、インドネシアの「id」、トンガの「to」、マレーシアの「my」も、いろいろ使えそう。私の場合は、ラジオでパーソナリティをしているので、東アフリカ・ジブチの「dj」がいいかな。

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■2003年映画ベスト30

 2003年は、例年よりも劇場公開の映画を観ていない。映画祭では200作品以上観ているが、一般公開作品は、100作品程度と、例年の3分の2程度だった。だから、注目作も見逃している作品が多い。だから私の選んだベスト30は、重要な作品が何作も抜けている可能性が大きい。私が観た範囲での、独断ベスト30だと思ってもらいたい。
 洋画のBEST20から。1.「シティ・オブ・ゴッド」、、2.「ボウリング・フォー・コロンバイン」、3.「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」、4.「フリーダ」、5.「めぐりあう時間たち」、6.「キル・ビルVol.1」、7.「死ぬまでにしたい10のこと」、8.「シカゴ」、9.「ラスト・サムライ」、10.「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」、11.「“アイデンティティー”」、12.「マッチスティック・メン」、13.「愛してる、愛してない...」、14.「フレディVSジェイソン」、15.「アララトの聖母」、16.「トーク・トゥ・ハー」、17.「8Mile」、18.「永遠のマリア・カラス」、19.「ファム・ファタール」、20.「HERO」
 続いて邦画のBEST10。1.「座頭市」、2.「昭和歌謡大全集」、3.「ごめん」、4.「東京ゴッドファーザーズ」、5.「蒸発旅日記」、6.「あずみ」、7.「星に願いを。」、8.「福耳」、9.「黄泉がえり」、10.「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」、10.「ゲロッパ!」

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2003.12.30

■桐野夏生の「光源」

 桐野夏生の「光源」は、殺人が起こらない緊迫のサスペンス小説だ。「ポートレート24」という映画作品が、できるかどうか、ハラハラしながら読み続けた。映画プロデューサー・玉置優子、ベテラン撮影監督の有村、新人監督・三蔵、有名俳優高見とアイドルくずれの女優佐和。小説は、それぞれの視点から描かれていく。粘ついた欲望と人間関係。それぞれの傷と夢。さまざまな「光源」が、思わぬ事実を浮かび上がらせる。
 単行本の帯には「これまで誰も読んだことのない小説」と書かれていた。桐野夏生の最近の作品は、みなそうだ。きりっとした芯を持ちながら、通常の小説を内側から食い破って増殖していく。しかし簡潔で巧みな表現、的確な構成力が破綻を魅力へと変えている。
桐野夏生はインタビューに、こう答えている。「ジャンルもわからないし、的確な帯のコピーさえも書けない変な小説。不思議な仕事をした」

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■画家ダーガーの伝記映画


 「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィック監督が、ヘンリー・ダーガーの伝記映画を企画しているらしい。脚本は、マーク・アンドラス。
 ヘンリー・ダーガー(1892年-1973年)は、シカゴで生まれた。母が死に父も身体に障害をきたしたため、8歳で孤児院に送られ、次に知的障害児のための施設に移された。17歳のときに施設を逃げ出し病院で清掃、皿洗い、包帯巻きをして生計を立てた。19歳から一人暮らしを始め、81歳で亡くなるまで生涯孤独だった。ダーガーの死後、家主のラーナー夫妻が彼の部屋を開けると、膨大な叙事詩と巻物状の大きな水彩画が残されていた。
 「非現実の王国における、ヴィヴィアンガールズの物語、あるいは子供奴隷の反乱に起因するグランデコ対アンジェリニアン戦争と嵐の物語」と題された叙事詩は1万5145ページに及ぶ。大きなものは3メートルもある挿絵が300点以上。7人の少女が邪悪な大人たちと戦い続ける可憐にして残虐な物語を生み出した。創作は19歳から死の直前まで誰にも知られることなく続いた。あらためて、その奔放な想像力と持続力に驚く。美少女戦士ものの先駆者でもある。
 挿絵にはコラージュの手法が取り入れられている。ゴミ捨て場からカレンダー、新聞広告などを拾い出し、女の子の絵を切り取いてトレース。おびただしい少女たちは裸にされ、男性器が加えられた(ダーガーが女性の裸体を知らなかったからと言われている)。全体を鮮やかに彩色し、大きな画面に構成している。
 今では、アメリカで最も重要なアウトサイダーアート作家と評価されているが、家主のラーナーが芸術家でなければ、作品は気持ちの悪い遺品として廃棄されていたことだろう。過去に、そして現在も無数のヘンリー・ダーガーが日の目を見ることなく、忘れ去れ、作品が捨てられている。ダーガーのことを思うと、複雑な気持ちになる。
 ダーガーの伝記映画といっても、彼は部屋にこもって、日々作品をつくり続けただけだ。青年時代以降は、映画的な出来事は少ない。どんな魅力的な物語になるのだろうか。ちょっと想像がつかない。

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2003.12.29

■女はみんな生きている

 偶然に出会った主婦と娼婦が協力し、男たちへの復讐を果たす。こう書いてしまうと面白くも何ともない。しかし作品は、とても笑える。女性監督コリーヌ・セローが、フランスの差別的な現実に鋭く切り込みながら、お得意のウイットでまとめあげた佳作。女性は強く魅力的、男性は弱く身勝手。誇張して描かれているものの、妙に生々しく感じるのは、細部を丁寧に積み上げているからだろう。
 とにかく展開が早い。特に後半の波乱万丈ぶりはハリウッドも真っ青だ。そして女性差別のほか夫婦関係、親子関係、売春組織、貧困問題などなど、多面的なテーマを盛り込みながら、すっきりとまとめあげてしまう。その手さばきにも感心した。派手な展開の後に訪れるラストシーンの穏やかな美しさは絶品だ。

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■通訳する対話ロボット

 2003年は鉄腕アトムが誕生した年として、さまざまなイベントが行われた。そして、ことしを締めくくるにふさわしいロボットのニュースが飛び込んできた。NECは28日、通訳ができる対話型ロボット「PaPeRo(パペロ)」の開発に成功したと発表した。会話を通訳できるロボットの開発は世界で初めて。
 数千人の声を聞き分けられる音声認識機能と、発音が違っても正確な意味を把握できる制御システムなどを組み込んでいる。マイク付きの小型無線端末に日本語で話しかけると、収録した約2万5000語の英単語を駆使して翻訳し話す。英語から日本語への通訳も可能だ。

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■腰抜けうどんで年越し

 東大阪市の天浅製麺所が、関西空港や心斎橋の土産物屋で売り出した「なにわ腰抜けうどん」が、人気を集めている。うどんは、太くてコシが強い「さぬき」系が幅をきかせているが、細めでやわらかい伝統的な大阪のうどんは、消化が良くてダシが染み込んで美味しい。
 やわらかな細めんのうどんこそ、懐かしい家庭の味。夜食にも、ぴったり。お年寄りにも、小さな子にも優しい。それにしても、「腰抜けうどん」というのは、良いネーミングだ。ほっと、肩の力が抜けて、穏やかになる。31日は「腰抜けうどん」で、年越ししたいところだが、関東方面で売り出すのは2004年からになるという。

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2003.12.28

■トリアーのアメリカ批判

 ラース・フォン・トリアー監督の最新作「ドッグヴィル」が、日本でももうじき劇場公開される。パルムドール受賞の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でカンヌ映画祭に行ったトリアー監督は、数人のアメリカ人ジャーナリストに、アメリカに行ったこともないのにアメリカについての映画を作ったことを批判された。辛らつな監督は「行ったことがない国、アメリカで起こる映画を作るというアイデアに魅力を感じた」と、「ドッグビル」に始まるアメリカ三部作の構想を立てた。
 トリアー監督は「小さいころに、自分が強いなら、公正で良き人間であらねばならないと習ったが、それはアメリカという国では見ることのできない。私がよく知っているアメリカ人は好きだがね。他の国の人よりアメリカ人が悪いとは思っていないが、ブッシュ氏が多くを語る無法者の国の人よりもいいようには見えない。人間はどこでも多かれ少なかれ同じだと思う。アメリカについて何を言えるだろう?権力が堕落させた国。彼らがあまりにもパワフルだから、からかっても大丈夫だろう、私ごときがアメリカを傷つけることはできないのだから」と語っている。

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2003.12.27

■日アカ、選考に華がない

 日本アカデミー賞協会による「第27回日本アカデミー賞」の候補作が明らかになった。例年のことながら、選考に華がない。新しい力を正当に評価する姿勢が弱すぎる。
 優秀作品賞は、「阿修羅のごとく」(東宝=博報堂=毎日新聞社=日本出版販売)、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(フジテレビジョン=アイ・エヌ・ピー)、「座頭市」 (バンダイビジュアル=TOKYO FM=電通=テレビ朝日=齋藤エンターテイメント=オフィス北野)、「スパイ・ゾルゲ」(表現社=アスミック・エース エンタテインメントト=東宝=セガ=日本情報通信コンサルティング=オービック=イマジカ=カルチュア・パブリッシャーズ=テレビ朝日=サミー=フィールズ)、「壬生義士伝」(松竹=テレビ東京・テレビ大阪=電通=衛星劇場=カルチュア・パブリッシャーズ=IBC岩手放送)。この中では「座頭市」しかないだろう。「ゲロッパ!」「あずみ」「赤目四十八瀧心中未遂」「バトル・ロワイアル2 鎮魂歌」なども候補にすべきだ。
 優秀監督賞は、塩田明彦(「黄泉<よみ>がえり」)、篠田正浩 (「スパイ・ゾルゲ」)、滝田洋二郎(壬生義士伝)、本広克行(「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」)、森田芳光(「阿修羅のごとく」)。この中からというのなら、私は迷うことなく塩田明彦監督に贈る。
 授賞式は、2004年2月20日午後9時から。

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2003.12.26

■インターネットも戦場化

 ことしは、イラク戦争をはじめ、世界中が戦場と化した。日本も進んで戦場に派兵しようとしている。善意、相互扶助を基本精神にして普及してきたインターネットの世界も、ことしは大きく様変わりした。
 これまでのウイルスは、たぶんに愉快犯的だったが、Sobigの登場で、ウイルス散布は商売となった。そして組織的・計画的な手口が目立ち始めている。Sobigは、ウイルス感染の電子メールメッセージを世界中に3億通以上も送信した史上最悪のワーム。Sobig作成グループは、ワームを使用して大量のコンピュータを感染させ、スパムメール送信に使用可能なプロキシサーバのリストを作り、そのリストをスパムグループに販売していた。
 インターネットはライフラインになりつつある。絶え間ないウイルスとの闘いは、気がめいる。インターネットも戦場になった。

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2003.12.25

■火星からのプレゼント届かず

 火星着陸機ビーグル2から期待のクリスマス・プレゼントは届かなかった。
 欧州宇宙機関の火星探査機マーズエクスプレスの着陸機「ビーグル2」は、日本時間25日に火星大気圏に突入したが、交信予定時間になっても着陸成功を知らせる信号が受信できず、行方不明となっている。まだ絶望的な状態とは断言できず、今後交信が行われる可能性もある。
 火星に生命の痕跡を探すマーズ・エクスプレスは、ヨーロッパとしてははじめての火星探査計画。「ビーグル2」には、火星の地下の物質を採取できる特殊なサンプリング装置を搭載している。採取したサンプルは、そのまま着陸船内部にあるガスクロマトグラフィーや顕微鏡、メスバウワー分光計などの装置で組成が詳細に調べられるようになっていた。

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■パチンコ玉が浮いた

 夢と実益を兼ねたとても面白いニュースに出合った。
 「パチンコ玉を大量に持ってきた生徒がいて、磁石でつるしてみたら、宙に浮く現象が見られ驚いた」。盛岡市の私立岩手高の佐々木修一教諭らは24日、世界で初めて永久磁石を使った磁性体の浮上実験に成功したと発表した。アメリカの専門誌「ジャーナル・オブ・アプライドフィジックス」2004年2月号に掲載される。世界的に権威のある同誌に高校教諭が筆頭執筆者として論文を掲載するのは、日本人としては初めて。
 約20個のパチンコ玉と、縦横約10センチ、幅が鉄球の直径ほどのプラスチック箱を用意。箱に鉄球を入れ、上から永久磁石を近づけると鉄球5、6個が1列に並び、その下でほかの鉄球が中空に浮くことを見つけた。1842年に発表された「アーンショウの定理」で、永久磁石を動かさずに鉄球が浮くことはないとされていた。共同研究を進めている村上雅人芝浦工大教授は「一見単純だが磁気の根本定理を覆し得る画期的な発見。永久磁石の吸引力と1列目の鉄球に対する反発力による現象とみられるが、理論的裏付け、解析は今後の課題。磁性体が球体だったことが現象として現れた大きな要因と考えられる」と話している。
 磁気の根本定理を覆す可能性があるだけでなく、磁石を動かすと、浮いた鉄球も移動するので、医学、工学分野などでの幅広い応用が期待できる。

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2003.12.24

■シュヴァルの理想宮

 フェルディナン・シュヴァル。フランスの南東部ドローム県にある小さな村オートリーヴに、独力で夢の宮殿を作り上げた人だ。長さ26メートル、幅14メートル、高さ12メートル。私は、挫けそうになると、いつもシュヴァルの存在を思い出した。
 建築も美術も石細工に実際に必要な技術も何ひとつ学んでいなかった郵便配達夫が、毎日石を拾い集め、33年かけて造り上げたシュヴァルの理想宮(Palais Ideal du Facteur Cheval)。その宮殿の奔放さ、過剰さには目を見張る。1969年、宮殿は時のフランス文化相・作家のアンドレ・マルローによって「重要構造物」に指定された。
 「私は意志がなにをなしうるかを示そうと思った」「私の思想はこの岩とともに生きるだろう」とシュヴァルは語っている。一人のしろうとが、意志の力で何をなし得るのかを、見事に示している。とはいえ、シュヴァルは妻の持参金なしには、宮殿の敷地を買うことができなかった。幸い、いまでは土地がなくてもバーチャルな世界に夢の宮殿を描くことができる。必要なのは、具体的なイメージと意志の持続力だけだ。

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2003.12.23

■ラスト・サムライの危うさ

 すぐれた作品であるからこそ、真剣に吟味すべき映画だと思う。思わぬ毒が隠されている。
 「ラスト・サムライ」は、ほぼ全編にわたって映像が緊張を保ち、カメラワークも高い水準にある。日本の近代化の中で滅びていく武士的な倫理、生き方を正面から描いている。多少の誇張はあるが、武士道については、かなり研究した後がうかがえる。さらに、ネイティブ・アメリカン虐殺の歴史も描かれ、近代化の野蛮性が示される。アメリカや近代化を相対化する視点は、極めて現代的な批評になっている。ただ、勝元が戦死した後の展開は、いかにもハリウッド映画。凛とした空気が湿ってしまった。
 この作品の質を支えている資金力だけでなく、妥協のない良く訓練された戦闘、殺陣シーン、人間的な明治天皇を登場させる試みなど、現在の日本映画では実現し得ないレベルにあることは、間違いない。侍の生きざまに接して、政府側から反逆者の道を選んだトム・クルーズが演じるネイサンの戦士としての心情も、よく理解できる。だが、武士道は、主君への絶対的な服従が基本であり、戦のために心身を鍛えるという姿勢が根幹にある。その潔癖さだけを評価し、武士道を美化するのは危険だ。
 武士道を全否定するつもりはない。しかし歴史を踏まえながら、慎重にとらえ返さなければならない。「勝元はかっこいい」と舞い上がることなく、日本人は近代化とともに、武士道の限界性をもあらためて自覚すべきだろう。その危険性は、けっして過去のものではない。

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■「ベルセルク」26巻

 良く錬られた壮大な構想の下、おどろおどろしい異世界を圧倒的な筆力で描く「ベルセルク」。新刊26巻が届けられた。1989年、月刊アニマルハウス10月号に初めて「ベルセルク」が登場して、早14年以上の月日が流れた。三浦建太郎は、この作品にすべてを注ぎ込んでいる。グリフィスが「フェムト」に転生するために起こされた「蝕」で、ガッツとキャスカを除く鷹の団全員が凄惨に殺されるシーンが続く、これまでで最も衝撃的な13巻から、ちょうど倍の巻数になった。
 26巻では、新たなガッツの脱人間化が始まる。これまでも人間離れしていたが、鉱精(ドワーフ)によってつくられた呪物「狂戦士の甲冑」を身に着けることによって、さらに人間の限界を超える。髑髏の騎士との関係を示唆する甲冑。今後のストーリー展開で、グリフィスが率いる強力な使徒の集団と戦い続けるためには、仕方ないだろう。しかし、「ドラゴンボール」のように歯止めが効かなくならないか、少し心配だ。

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2003.12.22

■テロ危険度が最高に

 報復の連鎖は、いつまで続くのだろうか。
 アルアラビーヤは19、20日と連日、国際テロ組織アルカイダのザワヒリ副官、指導者ウサマ・ビンラディン氏の録音テープを放送した。ザワヒリ副官は「われわれは、米国本土などの各地で、米国人とその同盟者を依然追跡している」と、ビンラディン氏は「米国のイラク攻撃はイスラム教徒に対する新たな十字軍だ」と述べた。こうした録音テープが放送されると、それを合図にしたかのようにアルカイダの自爆攻撃が行われている。
 案の定、米国土安全保障省のリッジ長官は21日、5段階で示している国内のテロ危険度をまん中の黄色(かなりの危険)から、2番目のオレンジ(高度な危険)に1段階引き上げると緊急記者会見した。1段階だからといって、軽視すべきではない。長官は「わが国に対するアルカイダの攻撃を含む戦略的指標は、恐らく2001年9月11日以来もっとも高水準にある」と強調している。

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■日本のブログ元年

 以前から静かな盛り上がりを見せていた日本のブログ。12月になって、超大手の当@niftyが参入し、2週間で5000人以上が登録、たちまち熱気を帯びた交流が始まった。ブログの特徴は、ブラウザ上で投稿から管理まですべて行うことができる機能のほか、欠かせないのがコミュニティー機能だろう。参考にしたことを相手側に通知するトラックバックと投稿されたブログが即座に確認できるPingサーバーは、ブログにとってとりわけ重要だ。この機能こそ、これまでのホームページを超えるブログの利点だ。
 エッジは12月19日、Weblog作成サービス「livedoor Blog」を正式スタート。同時に独自ドメインマッピング機能を備えた有料Blog作成サービス「livedoor Blog PRO」の提供を開始した。アクセス解析機能やBlogのインポート機能 、100MB のサーバー容量を持つ。月額250円。一方、サイバーエージェント は12月25日から無料 Weblog サービス「melma!blog」の試験運用を始める。melma!でメールマガジンを発行する人を対象に提供される。メルマガを発行すると同時に自動的に blog への書き込みを行うことができる。
 ぞくぞくと、新しいブログサービスが始まっている。2003年は、まさに日本のブログ元年だ。

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2003.12.21

■高度な笑いの質

 「ファインディング・ニモ」を観た。相変わらずピクサーは、面白い。今回も良くできていた。CGの美しさとともに、皆でアイデアを出し合って、楽しんでつくっている姿勢が素晴らしい。そして、海の生き物の特徴を生かした笑いの質は、驚くほど高度。差別的な笑いではない。ストーリーの根幹は父と子の成長と和解だが、周囲のサポートも重要。登場するキャラクターたちは、みな一ひねりしてある。ニモは片方のひれが小さく上手く泳げないというハンディを持っている。病的な健忘症のドリーが、前向きにマーリンを励まし、サメたちとも仲が良いという設定も考えさせられる。
 単純なストーリーに見えて、憎悪をかき立てない配慮、友愛に満ちた展開に心が温まる。毒がなさ過ぎると思うかもしれないが、現代への批評もさり気なく行っている。魚たちが「人間は傲慢だ」と言った後、「アメリカ人?」という一言を付け加えるところが、いかにもピクサーらしい。エンドクレジットでは、これまでのように爆笑NG集はない。しかし、さまざまなキャラクターが心憎いかたちで再登場する。最後の最後まで席を立たないように。

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2003.12.20

■ニュートリノと南極

 素粒子ニュートリノの実験施設に6億円、南極観測船「しらせ」建造費はゼロ円。
 来年度予算内示では、こんな明暗を分ける結果になった。ニュートリノ実験施設は、当初政府の総合科学技術会議が建設を疑問視していたが、小柴昌俊・東大名誉教授が猛烈に抗議し、「国家的、国際的にも重要なプロジェクト」と位置付けられた。
 一方、南極観測を支えてきた「しらせ」は老朽化し厳しい自然環境で使用されて、傷みが激しい。文部科学省は2007年度に25年の耐用年数を迎えるのを前に、来年度予算に後継船の建造費約55億円を要求した。建造には4年かかるので、ぎりぎりのタイミング。しかし財務省は「ゼロ査定」。「大事に使っていただきたい」と予算化を拒否した。長年続いてきた南極観測を途切れると観測記録の価値を著しく損ねるほか、国際的な信用を失うことになる。どこぞへの派兵には巨額の補正予算を組む財務省は、国際貢献が分かっていない。

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2003.12.19

■楽しいアニメ記念切手

 atomkite.jpgひさしぶりに記念切手を購入した。科学技術・アニメーションのさまざまな図案が10枚セットになり、800円。2シリーズがあり、微妙に違う。迷いつつ、両方買ってしまった。1600円。
 何といっても鉄腕アトムの図案が楽しい。原作では2003年にアトムが誕生する。国産テレビアニメーションシリーズの第1号である。からくり人形・弓曳童子は、江戸時代の「からくり儀右衛門」こと田中久重が製作した。ゼンマイ仕掛けで自動的に矢台から矢を取り、弓につがえてひき、的に当てる。
 長岡半太郎は、人事の育成にもつくし、東京帝国大学教授、大阪帝国大学初代総長を歴任し、湯川秀樹、朝永振一郎らを指導、日本の物理学の発展に貢献した。1903年に「原子は、原子核の回りを電子が回っている。」という土星型原子模型を発表し、原子模型の基礎となった。H-2ロケットは、日本初の純国産ロケット。morph3は、科学技術振興機構・北野共生システムプロジェクトと工業デザイナーの山中俊治が共同開発したロボット。生物に似た皮膚感覚を持っている。

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■「HD DVD」ドライブ開発

 記憶媒体の一本化は、そんなに難しいのだろうか。DVD-R、DVD+R、DVD-ROM、DVD+ROM、DVD-RAMという現行はひどい。マルチドライブという解決法は、正当な解決ではないと思う。次世代もまた、ソニーらBlu-rayと東芝らHD DVDが対立している。私は、HD DVDの進め方が正しいと考えている。ソニーらは撤退すべきだ。
 NECは12月18日、現行DVDと互換性を持つ「HD DVD」(AOD)ドライブを開発したと発表した。1つの光ヘッドで現行DVDとHD DVDの両方に記録・再生できる。青色レーザーを使用し、現行DVDと同じ12センチ光ディスク片面に15Gバイト/1層・30Gバイト/2層の記録が可能だ。11月にROM規格がDVDフォーラムに承認された。DVDとの互換性こそ、もっとも大切な要素だ。

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2003.12.18

■飛行機100年の功罪

 ライト兄弟が1903年12月17日午前10時35分、キティホークの砂丘で自分たちで開発した翼長約12メートルの複葉機「フライヤー」で、36・6メートル、12秒間の飛行に成功して、100年がたった。
 飛行機の登場は、人間の想像力の翼をも広げた。サン・テグジュペリ、稲垣足穂、宮崎駿などなど。一方、飛行機は戦争に利用され、多くの戦死者を出した。15日、世界最大の航空宇宙博物館に原爆を広島に落した爆撃機エノラ・ゲイが展示されたのは、その象徴だろう。施設には原爆投下の説明はなかったようだが。そして9・11のハイジャック。
 ライト兄弟のロマンは、100年後、こんなにも世界を変えてしまった。

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2003.12.17

■TOMATOのPS2作品

 ロンドンのクリエイター集団 TOMATOが、PlayStation2作品を発表する。TOMATOのほぼ全メンバーが参加している。音楽、映像、タイポグラフィーを使ったインタラクティブな作品。目的に向かって進んでいくこれまでのゲームのイメージではなく、やりながら楽しさが膨らむものを目指している。TOMATOは「TOY」と呼んでいる。発売は、2004年2月18日。5,080円。
 最新情報はhttp://www.tomato-ps2.com/で。現在、12月2日に行われたプレスインイベントの報告、TOMATOメンバーのコメント動画がアップされている。22日からは、 PS2コンテンツの紹介が始まり、2004年1月15日にはTOMATOオリジナルデザインのWEBがオープン する予定だ。

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2003.12.16

■来年には1億曲を突破か

 アップルコンピューターは、米国だけで行っている音楽ダウンロードサービス「iTunes Music Store」で、これまでに2500万曲が販売されたと発表した。 記念すべき2500万曲目の楽曲はフランク・シナトラの"Let It Snow!"で、12月12日の午後に購入されたという。ここ2カ月間だけで1200万曲が販売された。10月にWindows互換バージョンのiTunesソフトウェアを投入したことが要因だ。
 アップルのCEOスティーブ・ジョブズは「iTunes Music Storeは明らかに最も成功したオンライン音楽ストアだ。音楽ファンは1週間当たり150万曲をiTunes Music Storeから購入しており、これは1年間に換算すると、7500万曲になる」と話している。ということは、来年の今頃は1億曲を突破する計算だ!。日本でも、早く始めてほしい。

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■平原綾香「Jupiter」!

 待ちに待っていた日がやってきた。いよいよ12月17日、平原綾香(ひらはら・あやか)のデビュー・シングル「Jupiter」が発売される。C/Wは蘇州夜曲。デビュー前から多くの注目を浴びている理由は、彼女の柔らかく張りのある超絶的な歌声。平原綾香は、今年高校を卒業したばかりの19歳だが、その音色はすでに成熟している。
 「Jupiter」の原曲は、なんとホルストの組曲「惑星」の第4曲「木星」。彼女のシンフォニックともいうべき音質は、まさに宇宙的な広がりを持っている。「私たちは誰もひとりじゃない」という歌詞が、優しく全身にしみわたる。すぐれた歌唱技術だけでなく、歌姫と呼ぶにふさわしい声の持ち主だ。
 Realplayerを用意しよう。ここでプロモーションビデオ「Jupiter」全曲が視聴できる。
●Amazon.co.jpへ

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■「シティ・オブ・ゴッド」

 ニューヨーク映画批評家協会の外国映画作品賞にブラジル映画「シティ・オブ・ゴッド」が選ばれた。大賛成である。この作品は、奇跡的な傑作だと思う。
 私は、8月に見た時点で「ことしのベストフイルム」と確信した。クールな社会派作品でありながら、無類の面白さが詰まっている。ドキュメンタリータッチの生々しさと軽快な音楽、切れの良い映像、絶妙なストーリー展開が、きっちりとかみ合っている。何といっても作品の冒頭から、あまりのテンポの良さに引きずりこまれてしまう。絶対お勧めの作品だ。DVDは12月21日に発売される。
 ちなみに、作品賞は「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」だった。

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2003.12.15

■サドと会田誠の出会い

 サドの世界には、会田誠の過激な戯れ絵が良く似合う。
 会田誠挿画、澁澤龍彦翻訳によるマルキ・ド・サドの「ジェローム神父」(平凡社)を買った。「ホラー・ドラコニア 少女小説集成」の第1弾。なかなか丁寧な装丁だ。「食用人造少女・美味ちゃん」など過激な『戯れ絵』で有名な会田誠の絵がサドの世界と響きあい、新鮮な出会いを生んでいる。挟み込まれている高丘卓の編集後記「高丘親分出帆顛末記」には、大いに笑い、そして感心した。
 会田誠を表紙とイラストに起用することに社内の長年の澁澤ファンが、「こんな下品な気持ち悪い絵を崇高な澁澤作品に用いるのはけしからん」と反対したそう。抗議は、編集者ではなく編集局次長と澁澤龍子さんに直接行われたらしい。サドのわい雑さ、澁澤龍彦のいかがわしさが、何時の間にか、権威へと祭り上げられ、エログロの会田誠を差別するロジック。それに対して、企画を実現し、裏話さえも明らかにした平凡社の柔軟な姿勢を高く評価したい。

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2003.12.14

■アララトの聖母

 作品的な善し悪しを言う前に、その史実に打ちのめされた。
 アトム・エゴヤン監督の新作「アララトの聖母」は、トルコ政府が1915年に行ったアルメニア人大虐殺を主題にしている。犠牲者は150万人と言われている。ヒトラーがユダヤ人虐殺の参考にしたらしい。これほどの大虐殺だが、アルメニア人の発言力が弱いので、ユダヤ人虐殺のように世界にはあまり知られていない。そのことに、胸が締め付けられる。日本の三光作戦を連想させるようなひどい殺し方をしている。
 人類の歴史を振り返ると、記録されたものだけでも、気絶しそうなほどの惨劇に満ちている。普段は、忘れたふりをしていなければ、生活していけない壮絶な史実。現在もまた、世界の各地で虐殺が行われている。やりきれない。人間はそんなものと断定して防衛的・強権的な選択をするのか。それでも平和的共存の困難な道を探る努力を諦めないのか。
 日本のイラク派兵を前にして、「アララトの聖母」は生々しい問いを突き付ける。

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2003.12.13

■ゴジラ映画誕生50周年

 小津安二郎生誕100年の次はゴジラ映画誕生50周年。2004年は、1954年に元祖「ゴジラ」が公開されてから50年の節目の年になる。計27作品が製作されている。 東宝は記念の超大作「THE GODZILLA」(仮題)を製作すると発表している。アメリカのゴジラが単なるイグアナだったという屈辱に対する皮肉か、それとも世界公開のための脳天気な命名かは分からないが、いずれにしても、許しがたいセンスだ。
 1954年の「ゴジラ」には、反戦、反核兵器の明確なメッセージが込められていた。ぜひ、この原点に立ち返った作品にしてもらいたい。現在の日本に最も必要なのは、歴史を振り返ることだと思う。もちろん、社会派作品としてではなく、娯楽大作として。

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■広末涼子とパルトロウ

 広末涼子が、岡沢高宏と結婚するというニュースは、本当だった。広末は妊娠中。妊娠は、主演映画の出演依頼を断ったことから明らかになった。つかこうへいの舞台に連続して主演するなど、女優として充実した日々を送っていたはずだが。本人にとっても、ファンにとっても2003年は、記念すべき年になった。
 そういえば、グウィネス・パルトロウとクリス・マーティンも結婚したようだ。パルトロウも妊娠中で、ややお腹も大きくなってきたという。女優にとって、結婚、妊娠は、もはや障害にはならなくなっている。しかしながら、ファンとしては複雑な思いだ。とりあえず、母親となって、女優復帰するときを待ちたい。

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■組曲「孤独な銀河」

 パソコンの性能が上がり、ループ素材を利用して高品質なサウンドが創造できるようになった。しばらく、ループ素材を組み合わせて遊んでいたが、本格的にのめり込むきっかけになったのは、アメリカ・ニョーヨークで起きたツイン・タワーの崩壊の衝撃だった。湾岸戦争以来、無意識に眼をそらせていた問題に、向き合わざるをえなくなった。自由という名を持つ管理。それは、政治的なレベルの問題というよりは、生き方に直結する問題だ。
 3分から5分の曲は、15曲1時間の組曲「孤独な銀河」にまとまった。さまざまな感情や思いが渦巻き、ぶつかり合い、溶け合う。音を詰め込めるだけ詰め込んだ。一度に聞くとかなり疲れると思う。作品の出来はともかく、個人的には満足している。どんなに拙い作品でも創造の喜びは大きい。優れた作品を味わうのとは別の喜びがある。
 ジャンル的には、一応テクノだろう。テクノといっても、自分なりに解釈した本当に広義のテクノ。自由で果敢な実験精神を基本に、何でも取り込んだ。人類の歴史、心の広大な空間を表現するには、それが必要だった。そして、テクノはアンビエントな面とダンスミュージックの面がある。身体の静と動、その両方を意識した。
 私にとってテクノは、音楽のジャンルというよりは、生き方のスタイルに近い。

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■小津の魔法使い

 12月12日(1903年)に生まれ、12月12日(1963年)に亡くなった小津安二郎監督。つまり、きっかり60歳で人生を締めくくった。見事。思わず「小津の魔法使い」と呼びたくなる。そして、ことしは生誕100年。さまざまな形で小津安二郎が取り上げられ、「小津マジック」について語られた。
 小津作品については、本当に多く語られている。その不思議な魅力について語りたくなる。ローアングルの手法の意味について考えるだけでも、多くの言葉を紡ぎ出すことができる。ただ、それは小津作品を実際に観てもらう、きっかけになるだけだ。とにかく、観てほしい。現在はDVDもそろっている。私のホームページにある「キネマ霊園」の小津安二郎コーナーは、白黒で作品名が並び、一言「無」と書かれているだけだ。

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2003.12.12

■2万を超すココログ

 ココログがオープンして10日。早くも2万を超すココログが投稿された。そして、ココログサービスの限界を超えたレイアウトやメニューが次々と登場し、ゆるやかなブログコミュニティーは、確実に形成されている。
 私が当初懸念していた、個々のココログが孤独に増殖するというイメージは裏切られつつある。交流は、確実に生まれ、強まっている。私の「★銀河ブログ」は、不徳のいたすところで、トラックバックやコメントは少ないが、多くのココログでは、活発なやり取りが交わされている。
 誕生して、まだほんの少ししか経っていないココログ。これから、どんな途方もない広がりと豊かさを育んでいくのか、わくわくして見つめている。

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■好みに合わせて音楽検索

いつか表れるだろうと思っていた音楽検索サービスが、ついに登場した。米Siren Systemsが11日から提供している「Soundflavor」。楽曲を700以上の要素に分解し、リスナーの好みがどの程度合致するかに基づいて音楽を推薦する。それぞれの好みに合わせて音楽を薦めてくれる新しいツールだ。
 インターネット上では、膨大な数の音楽が入手可能。ただ、あまりにも多く、結局はヒット曲に集中してしまう。アートとの出会いは、偶然の要素も重要で、コンピューターがぴったりと当てることは無理。しかし、これほど多数の音楽を一次選考してくれる技術はありがたい。

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■目を開けたまま眠る

 私は、自宅以外では目を開けたまま眠る。昔からの癖。旅などで、同室のした人が眠っている私に気が付くと、かなり驚くようだ。レオンのような「殺し屋」ではない。しかし、どうやら無意識に敵を警戒して目を開けているようだ。ウサギなどの弱い立場の草食動物も目を開けて眠るようだ。
 「三国志」に登場する豪傑・張飛も、目を開けて寝ていた。私の周りにはいないが、
目を開けたまま眠る人は、結構いるのかもしれない。眠っていても、外の景色が分かる。
明るくなってきたことが自然に分かる。ものが動いていても分かる。少しだけ、ウサギの気持ちが分かる。

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■恥を知れ、小泉首相

 イラク戦争は、予想通りゲリラ戦で泥沼化している。アメリカとイギリスが世界の世論に反して始めたイラク戦争は、始めから間違った戦争だった。大量破壊兵器が差し迫った危機だという大義名分は、どこに行ったのか。人類をなめるのもいいかげんにしてほしい。
 戦時下のイラクに日本の自衛隊が派遣される。国際貢献という嘘の理由で。自衛隊が存在するとはいえ、60年近く地道に築いてきた日本の平和主義のイメージをぶち壊し、戦場で殺しあいに行く。国民をだまし続ける小泉首相は、恥を知れ。外交官殺害を利用して、あるいは舞い上がって、自衛隊派遣を叫ぶ人々は、恥を知れ。

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2003.12.11

■これが超大企業の言うことか

 マイクロソフトは、修正パッチを随時ではなく、月に1回リリースするという方針を取っている。しかし、「12月公開分のセキュリティパッチの公開はない」と発表した。複数の新たな欠陥が発表されているにもかかわらずだ。「パッチが準備できていないだけだ」と理由を説明している。
 超大企業が言うことだろうか。セキュリティ対策に最重点を置くと明言した企業だろうか。自社の権益を膨張させるために、ライバルになる可能性のある小企業をたたきつぶすために巨万の資金を投入するマイクロソフトが、 ユーザーを危険にさらしているセキュリティ対策が間に合わなかったと語って、平然としている。
 そのことを市場も受け入れている。他産業の企業と比較してもらいたい。ユーザーは、それほど甘くない。厳しく企業姿勢が指弾されるはずだ。すでにマイクロソフトに飼いならされているのか。異常な世界と言うしかあるまい。

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■月で大量破壊兵器探しか

 天体に関するニュースは、政治経済の利害が絡まないので、純粋に楽しむことができる。しかし、ロケット打ち上げとなると、とたんに政治色が濃くなる。ブッシュ米大統領が、来年の大統領選挙を控えて、人気取りのために新たな月探査計画を打ち出しそうだというニュースは、吐き気がするほど不快なニュースだ。
 月にあるかないか議論が分かれている氷を探しに行くのだろうか。ビン・ラディンはいないし、大量破壊兵器を探しに行くわけではあるまい。かつてのロマンのかけらもない。月のことよりも、自らの国が破壊した地球の復興のことに謙虚に関心を向けてはどうか。

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2003.12.10

■日本人の寿命は将来108歳に

 国連の人口部門は、2300年までに、世界の人口が現在の63億人から約90億人に増加するとの予想を発表した。「2300年の世界人口」と題された同リポートでは、日本人の平均寿命は108歳。アフリカの人口が爆発する一方、欧州の人口は減少傾向となっている可能性がある、という。
 しかしながら、途上国世界の出生率が現状のままなら、2300年時点では、なんと134兆人になっている見通し。2300年の人口が90億人という予想は、1家族当たりの子供を2人とする前提による算出だが、0.25人増えると、364億人になると推定される。
 こんなに先の予測をして、何か意味があるのだろうか。300年後なんて、不確定要素が多すぎる。50年後、100年後で十分だろう。

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■バカ売れの「バカの壁」

 「バカの壁」が、まさにバカ売れ。ベストセラーを続けている養老孟司著「バカの壁」(新潮新書)の発行部数が、232万部を超え、永六輔著「大往生」(岩波新書)の230万部を上回って、新書史上の新記録になった。小泉首相も面白かったと言ったとか。小泉首相の姿勢とは、対極にある本だと思うか。「バカの壁」は、それぞれの人が自分の限界を自覚して相互理解を深めようという主張が基本。小泉首相は「どうせバカの壁があるから通じない」と誤読しているのではないか。「『話せばわかる』なんて大ウソ!」というコピーも、誤解されているかも。
 巷では、バカを題名に取り入れた本が増えているそう。書店では、「バカ本フェア」なども企画されているらしい。これだけ「バカの壁」が売れたのだから仕方ないが、「バカ本」とは。「天才バカボン」も含まれているのかな。

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2003.12.09

■ジョーンズとコッポラ

 スパイク・ジョーンズ監督とソフィア・コッポラ監督が離婚することになったという。コッポラ監督の新作「ロスト・イン・トランスレーション」の主人公の男性は、典型的な仕事人間に描かれている。この作品を見た関係者は、スパイク・ジョーンズに似ていると感じたらしい。その男性の夫婦仲が悪いので、二人の結婚も危ういと噂されていた。
 作品に、そこまで自分の私生活を投影するとは。ウディ・アレンのように屈折した笑いとして取り入れるならともかく。

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2003.12.08

■キャシャーンとハニー

 来年は、懐かしいアニメの実写版が、相次いで公開されそうだ。紀里谷和明監督の「CASSHERN」は、1970年代のTVアニメ。アンドロイドと戦うために自らもアンドロイドとなる鉄也が、新造人間キャシャーン。なかなかダークな設定だった。宇多田ヒカルの斬新なプロモーションビデオを制作した紀里谷監督の手腕が注目される。
 そして、庵野秀明が監督する「キューティハニー」も1970年代のTVアニメ。こちらは永井豪が生んだお色気路線のアクションもの。ハニー役は、佐藤江梨子。適役だとは思うが、演技の方はどんなものか。思いっきり、はずしそうな気もするが、完成が気になる。

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■「アップルシード」映画化

 3Dライブアニメ映画「アップルシード」(荒牧伸志監督)の製作発表が行われた。2004年4月公開予定。2Dのアニメーションと3DCGを融合した映像表現を可能にする3DCGアニメーション技術“トリニティ・システム”を採用している。
 「アップルシード」は、士郎正宗の未完の代表作。総合管理局が地球全土を統一した第5次大戦後の世界。クローン "バイオロイド" と人間との関係を軸に複雑で錯綜した物語か展開される。おびただしい脚注も特徴。
 「アップルシード」は、1988年にアニメが製作されている。監督・脚本は片山一良。メカニックスーパーバイザーとして庵野秀明が参加している。スピード感のあるバトル・シーンが印象的で、今観ても古さを感じさせない。今回の3Dアニメは、これを超えることができるのだろうか。

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2003.12.07

■東京ゴッドファーザーズ

 ジャパンアニメーションは、すごく元気だ。今敏監督の「東京ゴッドファーザーズ」は、文句なく楽しめる。宮崎駿監督のようなスケール感、スピード感はないが、物語を気持ち良く転がしていくセンスは、今監督の方が一枚上だろう。そんなに都合良く運ぶわけないよなあ、という思いが、次々とはまっていく快感に変わる。ちりばめられたピースが、最後にすべてはまったジグソーパズルのよう。
 主人公は、ホームレスの3人。それぞれに複雑な過去を持っているが、それを説明的にではなく、物語の展開に合わせて明らかにしていく手さばきが鮮やか。江守徹、梅垣義明の話術の巧みさは知られているが、声優初挑戦の岡本綾が信じられないほどに上手い。この3人のどたばたコンビが、幸せな奇跡を連れてくる。

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■「アニマトリックス」廉価版

 日本のアニメ作家を中心にして制作されたDVD「アニマトリックス」。早くも1500円の廉価版が発売になった。「マトリックス リローデッド」の宣伝としてではなく、ウォシャウスキー兄弟からの発案で始まったものだ。オムニバス9作品で構成。
 「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」(アンディ・ジョーンズ監督)は、まさに「マトリックス リローデッド」への序章と呼ぶべき緊迫した内容。極めてリアルなCGによる濃密な映像的魅力が詰め込まれている。「セカンド・ルネッサンス パート1」(前田真宏監督)は、マトリックス・ワールド形成の歴史を解き明かす内容だが、いろいろと仕掛けがある。前田監督が子供の頃に見た戦争フィルムのパロディを多用し、戦争についての思考を迫る。好戦的なアメリカへの批判がうかがえる挑戦的な作品。「セカンド・ルネッサンス パート2」(前田真宏監督)も、戦争の悲惨を繰り返し繰り返し、つきつけてくる。「きれいな戦争」などないということを執拗にみせる。

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■エイリアンVSプレデター

 映画にも、有名キャラ対決の時代がやってきた!
 「フレディVSジェイソン」のヒットで、有名キャラ対決が、ゲームの世界から、映画の世界でも実現しそうだ。大本命は、AVP=「エイリアンVSプレデター」。公式サイトには、予告編の動画もある。ストーリーは、なんだか全く分からないが。08.06.04というのは、2004年6月8日公開という意味か。舞台は地球らしい。
 日本では、誰が考えても「ゴジラVSガメラ」ということになるが、配給会社の違いで実現しそうにない。「ウルトラマンVSゴジラ」でも、いいんだけれどなあ。

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■「風のフロッタージュ」を聞いて

 同じ自作の曲でも、あまり聞かない曲とたびたび聞く曲がある。2002年の秋につくった「風のフロッタージュ」は、気分を落ち着けるために、良く聞く曲だ。フロッタージュというのは、こすり出しのこと。木の床に紙を置いてこすると、木目が浮かび上がる、あれだ。「風のフロッタージュ」。風は、世界中を吹き抜けて、さまざまなものと出会い、その記憶を写し取っているというイメージだ。
 たまたま、谷川雁の「ものがたり交響」を読むと、驚くべき記述に出会った。
「すべての物質は化石であり、その昔は一度きりの昔ではない。いきものとは息をつくるもの、風をつくるものだ。太古からいきもののつくった風をすべて集めている図書館が地球をとりまく大気だ。風がすっぽり体をつつむ時、それは古い物語が吹いてきたのだと思えばいい。風こそは信じがたいほどやわらかい、真の化石だ」
 これほど、「風のフロッタージュ」のイメージにぴったりの表現はない。

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■阿房宮炎上の定説は間違っていた!


 中国社会科学院考古研究所と西安市文物保護考古研究所が共同で実施した発掘調査で、秦の始皇帝が造営した大宮殿「阿房宮」(中国陝西省西安市郊外)は、楚の武将・項羽に焼き払われてはいないことが、明らかになった。阿房宮は、中国史上最大規模の建築群の1つ。
 約1年間、20万平方メートル以上を調べたが、大量の灰や焼けた土など火災があった痕跡は発見されなかったという。阿房宮は紀元前212年、咸陽の宮殿の規模が手ぜまのために、始皇帝が渭河の南に建造を開始した大宮殿。東西500歩(約800m),南北50丈(約150m)で、殿上には1万人を座らせることができ,殿下には5丈(約15m)の旗を立てることができた。これまでの定説では、秦代末期に項羽が侵入し、軍に焼きはらわれ、3か月間炎上したといわれてきた。

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2003.12.06

全文検索ココログルは素晴らしい

私が、ココログの全文検索がないことを嘆いてすぐに、ココログルのお知らせがトラックバックに。なんという素晴らしい試みでしょう。本当にありがとうございます。ココログも、一気に盛り上がるでしょう。私の「★銀河ブログ」も、こつこつと続けていきます。今後とも、よろしくお願いいたします。

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■ココログは10000を超えたけれど

 2日にスタートした@niftyのココログでは、つぎつぎにブログが誕生した。投稿は早くも10000を超えたけれど、ブログの特徴であるトラックバックやコメントは、あまり盛り上がっていないようだ。
 ココログのトップページでは、新規登録と新規投稿が掲載されているが、数が多いのですぐに更新されてします。過去の新規登録、新規投稿を検索することができない。もちろん、投稿の全文検索もできない。このことが、ブログどおしをつなぐ妨げになっている。改善してほしいものだ。

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2003.12.03

■映像作家が前面に出た画期的MV集DVDが

 スパイク・ジョーンズ、クリス・カニンガム、ミッシェル・ゴンドリーという才能豊かなクリエイターが、自ら選んだ傑作ミュージック・クリップ集DVDが、いよいよ2004年2月6日に日本で一斉発売される。ミュージック・ビデオに加えて、クリエイター制作のショート・フィルムやTVコマーシャル、ミュージシャンや出演者へのインタビュー、作品解説、ドキュメンタリー、メイキング等、貴重な映像が満載。52ページの日本語版ブックレットも付属する。発売・販売はアスミック。各4,980円(税別)の予定。
 シンガー別でのミュージック・クリップ集は当たり前だが、映像作家別の作品集は、日本ではなかなか発売されなかった。これまでは、ワンドットゼロなどの映像祭でしか、まとめて見ることができなかった。今回、やっと映像作家の作品集としてDVD化され、新しい展望が開けた。シャイノーラ、アッシュファイブ、フロリア・シジスモンディらのDVDもぜひ発売してほしいものだ。

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トラックバック初体験

古河建純氏のインターネットBlogからは、新しい技術の可能性への意気込みが感じられます。
ブログが活性化のきっかけになるといいです。初めてのトラックバック。こうして、つながり相互に交信し合うのですね。

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2003.12.02

■マトリックス レボリューションズ

「マトリックス レボリューションズ」を観ただろうか。私は、不満が残った。謎は、何も解決していない。肩透かし。龍頭蛇尾。しかしながら、別の面で感心した。日本のアニメの影響をもろに受けていたからだ。「ドラゴンボール」「AKIRA」「エヴァンゲリオン」そしてラストは「風の谷のナウシカ」。これだけ、まねされると気持ち良い。日本のアニメーションは、本当にたいしたものなのだ。

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「松岡正剛の千夜千冊」が900夜

 ホームページ「ISIS立紙篇」に連載されている「松岡正剛の千夜千冊」の900夜は、なんと宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』であった。千冊への歩みは、2000年2月23日の「雪」(中谷宇吉郎著)から、ついに90%まで来た。
 その内容は、書評というよりは、その本をきっかけにして松岡正剛氏の思索の軌跡を振り返るという趣き。思考は思わぬ広がりを見せ、著者との対話なども盛り込まれて、無類の面白さに満ちている。貴重な画像が掲載されているほか、縦横無尽にリンクが張られているのも松岡正剛の編集工学の証だ。
 普段もかなり長文なのだが、900夜は並外れて長い文章が続く。そして「一言でいうなら、宮沢賢治とは精神の極北における“編集化学の原郷”ともいうべきを、言葉のコンステレーションで示し続けようとした人だった」と、まとめている。

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■ブログという交信装置を使って

Weblogが、@niftyにもやってきた。インターネットという巨大な宇宙を漂う人々の、新しい交信装置。
この溺れるほどに美しい銀河系の流れに身をまかせながら、気ままな発信を続けていきたい。共振した人たちと、ささやかな対話を楽しみたい。映画を中心にしながら、科学やアートや歴史など、さまざまな気になるまたたきをお届けするつもり。

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